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社長コラム
2017/06/07

6月【読んで得する社長メルマガ⑰】真夜中の電話

ヘレンベルガー・ホーフ株式会社‐ドイツワインの輸入卸

 フーバーワインが大好きなみなさまへ

 いつも大変お世話になっております。
6月が来ると思い出すことがあります。

 2014年6月のことでした。真夜中に電話が
鳴りました。ずいぶん長いコールでしたが、
もうベットの中でしたので起きることなく、
そのまま眠ってしまいました。

朝起きるとフーバーさんの携帯から着信が入って
いました。日本の朝はマイナス7時間でドイツの真夜中。
夕方になったら電話をしようと思っていたのですが、
夕刻を待たずに訃報がニュースで届きました。

ベルンハルト・フーバーさんが6月11日、55歳で亡くなられ
たのです。

 彼が肺がんの告知を受けたのは2012年。
余命1年の宣告でした。目の前にいる彼はとっても
元気そうなのに。医療の進んでいるドイツだから治るの
ではという淡い期待を胸に彼を励ます意味ではじめた
イベントがあります。

「THURSDAY NIGHT HUBER」
 
~ サーズデーナイト・フーバー ~

 毎月1回木曜日にスカイプで彼とつないで一緒に
フーバーワインを飲もう!という会です。

ドキドキが止まらなさすぎる!

私の大好きな映画をまねたあほみたいなネーミングですが、
スカイプなどやったことのない私はドキドキ。
彼もスカイプなどやったこともなく、しかも記念すべき
第一回目は休暇中となってしまい、スペインマヨルカ島からの
生中継となってしまいました。ドキドキが止まらなさすぎる!

 画像は乱れ、音声もほとんど聞き取れず、もはや誰と話している
のかもわからない状態でしたが、ほんの少し漏れ聞こえてくる彼の
元気そうな声にお客様も歓声をあげてくれました。 

2013年から始めたこの企画ですが、体調は日に日に悪化
していったのでしょう。彼が出演してくれたのは
結局最初の2回だけでした。その後は息子のユリアンさんが
引き継いでくれています。

散々な初回から数えることおそらくもう50回以上、日本全国で
マンデーからサンデーまで、ナイト・フーバーを開催しました。
Wi-Fi事情もすっかりよくなったマルターディンゲン村。

自撮り棒まで購入してくれたユリアンさんとの
息もぴったりです。ある時は醸造所、ある時は畑、ある時は
ブルゴーニュの村からなど忙しい合間を縫って中継をしてくれて
います。

先日の土曜日などはユリアンさんから
「今日ってナイトフーバーやったっけ?」
と勘違いの電話までいただいた時には感謝で胸がいっぱいに
なりました。

社長使い放題プラン実施中

月に1回なんて言っていたのですが、6月はなんと9回も開催
予定です。私とユリアン史上最高記録です。
今年はフーバー醸造所30周年記念ということで
ヘレンベルガー・ホーフでは「社長使い放題プラン」が
採用されており、スタッフのみんながどんどんイベントを
企画してくれたおかげです。みんなありがとう!

イベントで忙しい最中にふと思い出します。
あの時の夜中の電話は彼からだったのか。
もう話せるはずもないのに何かを伝えたかったのか。
出ればよかったと。

私のこの親子に対する感謝の念は尽きることがありません。
日本全国どこにでも彼らの良さを全力で伝えたいと思います。

ナイト・フーバーには1つだけルールがあります。
フーバーさんのグランクリュを1つ以上当日飲むことです。

彼の最高の作品を少しでも楽しく気軽に飲んでいただける
機会になればと思っていたのですが、お陰様で彼の
シュペートブルグンダー グランクリュの
人気が高まってきました。

 弊社のワインリストもグランクリュが売り切れるたびに
ヴィンテージの変更をしなければならず、
「フーバー グランクリュの出荷がない日はない!」と
いううれしい悲鳴が出るほどです。
ヴィンテージのこなれたものをお望みの方は
お早めにお問い合わせくださいませ。

フーバーさんのグランクリュについては以下を参照ください。
http://www.herrenberger-hof.co.jp/profile/profile_detail02.html

彼の愛してやまなかったブルゴーニュのシトー派僧侶が700年前に
開拓したマルターディンゲン村の小区画「ヴィルデンシュタイン」には
彼の記念碑が貝殻石灰岩で写真のように建立されています。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。
関西は今日から梅雨入りです。雨の音を感じながら静かに彼の渾身の作品を
じっくりと堪能してみてはいかがでしょうか。

みなさんともいつかHUBER NIGHTでお会いできるのを
楽しみにしております。


山野 高弘