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毎月フーバー
2022/02/22

毎月フーバー!2月号 マルターラーのラベルのお話

ヘレンベルガー・ホーフ株式会社‐ドイツワインの輸入卸

みなさんこんにちは!営業の高橋です。
今月も「毎月フーバー」のお時間がやって参りました。

フーバーフーバーと言い続け、あの手この手で皆さんの脳裏にフーバーさんのワインの存在を刻む!という積極的な刷り込み企画でございます。

さあ、今月も刷り込まれる心の準備はお済みでしょうか。



今回はフーバーさんのワインの中で異彩を放つラベルのワイン、
「マルターラー」についてご紹介させていただきます。


こちらはホームページのおすすめワインのコーナーなどでも度々ご紹介させて頂いておりますが、弊社のビッグボス(会長)がこよなく愛したワインのひとつです。

生前、「男は黙ってマルターラー」なんてどこかのCMのキャッチコピーみたいなことを言うほど、とにかく深く深く惚れ込んだ辛口のワインです。



みなさんが気になるところといえば、よくご存じのフーバーさんの他のワインとは明らかにキャラ違いの、このぐるぐる巻きになった何とも奇妙なラベルのことでしょう。

実はこの絵、バーデン地域の大きな街フライブルクの聖カタリナ教会で、長く大切に保管されていた有名な絨毯(じゅうたん)の絵をそのままラベルにしています。


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1300年頃、フライブルクの貴族マルターラー家の女性が修道院に入る際に家族から持たされたもので、その現物の長さは5m近くにも及ぶ立派なものだそうです。修道院ではベンチカバーとして使用されていました。


資料によると、この絵には旧約聖書の時代からローマ時代、そして騎士道精神に彩られた作者自身の時代に至るまで、力を持つ男性が、女性との愛の結果どのような損害を被るかが表現されているのだそう。

・・・なんかすごいな(笑)



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先代ベルンハルト・フーバーさんは、地元で今も大切に受け継がれているこの美しいタペストリーに魅せられ、ラベルにその絵をあしらい、フライブルクで生まれたブドウ品種であるフライザマーを使って名家の名を冠したワインを造りました。

こんなにも『バーデン』がぎゅぎゅぎゅっと詰まりまくった個性豊かなワインは唯一無二でしょう。



現在このタペストリーは、フライブルグの象徴と言える大聖堂の近くに位置する、アウグスティーナー博物館にて保管されています。
実は私、2016年にフーバー醸造所に研修に行かせていただいた際、休日にこのマルターラータペストリーを拝むべく博物館に行って来ました。その気持ちは、ずっと会いたかった遠方に暮らす文通相手と初めて待ち合わせをするようなドキドキ感。←したことないけど
文通て‥わかる世代にはわかりますよね。



入り口からすぐに趣向を凝らした展示で迫力溢れる石像達の間をすり抜け、各階でさまざまな時代を刻んできた絵画や彫刻達が迎え入れてくれているけど、正直言って気もそぞろ。なんせ私は文通の彼に会いに来たのだ。


期待を胸にひとつ、またひとつと階を上って行ったけど、
文通の彼が居ない・・・。

うっかり見逃したのかと思い、受付に戻ってタペストリーは何階にあるか尋ねてみると、

係員「今は観れないよ」
私 「へ?(。-∀-)・・・あんだって?」
係員「タペストリーの部屋は数日前から修復期間に入ったから、次に観られるのは4年後よ」
私 「なんじゃそりゃーーー!!!( ;∀;)」
係員「こんな感じになる予定だからまた来てね!」

と完成予想図が描かれた新聞を渡されました。

マル5.jpg


何という絶妙なタイミングの悪さ。
同じ建物のすぐそこに会いたい文通の彼が居るはずなのに・・・ガクッ

そんなこんなで、生マルターラータペストリーを拝めないまま無念の帰国を致しました。



あれから6年、さすがにもう修復は完了したはず。←ちゃんと調べろ

楽しみが先延ばしになったと思って、次にバーデンに行く際は必ずや!と誓っています。


みなさんも旅行が自由にできるようになったら、バーデンのワイナリーに遊びに行ったついでに少し足を伸ばして、文通の彼、いや、フーバーさんが見惚れた長~いマルターラータペストリーにぜひ会いに行ってくださいね。




ヘレンベルガー・ホーフ 高橋