モーゼルで新しい団体が設立?!進む品質改革!
皆さんこんにちは。
今月も大田黒がお送りします。
ドイツワイントピックスでは、皆さんにブログとは違った真面目な一面をお見せしております。
さて今回のテーマは、
「モーゼル地方の新しい団体設立について」
でお送りします。
ドイツワインは年々輸出量を伸ばし、2022年2月までの1年間のドイツワイン全体の輸出量は、昨年と比較してなんと33%も増加したようです。
中でも輸出量で驚くべき成長を見せた産地がモーゼルです。
ドイツワイン輸出協会(VDW)の輸出統計によるとモーゼル地方の輸出量は前年(2020年)との比較で27,5%以上の伸びを見せています。
海外輸出国の順位としては、アメリカ、中国、カナダ、ノルウェーと続きます。
いつもドイツワインの輸出先として名の上がるイギリスは、最近までエントリークラスのワインが中心だったそうですが、高価格のドイツワインの輸出の割合が増えているようです。
そんな中、またモーゼルでさらなる品質改革起こそうとする団体が現れました。
その名も「Maxime Herkunft Mosel マキシム ヘアクンフト モーゼル」です。
日本語では、“モーゼルの起原への信念”。
この団体は、2017年に設立されたマキシム ヘアクンフト ラインヘッセンのモーゼル地方版でザールからテラッセンモーゼルまでの30の醸造所によって設立されました。
4月22日に発表されたばかりで、まだマキシム ヘアクンフト モーゼルのホームページ等はなく、公式の格付けや決まりは発表されていませんが、ラインヘッセンの同団体と同じ様な内容になるとのことです。
今回は、マキシム ヘアクンフト ラインヘッセンのホームページより、規定をご紹介します。定めている決まりはVDP(高級ドイツワイン生産者連盟)と似ています。
グーツヴァイン、オルツヴァイン(村名入り)、ラーゲンヴァイン(畑名入り)と別れていて名乗る範囲が狭くなるほど収量も低くリリースも遅くなります。
グーツヴァイン・・・・醸造所の名刺代わりとなるワイン。
オルツヴァイン(村名入り)・・・・その村の最高の畑のぶどうから造られるその土地を代表するワイン。地域の代表的なぶどう品種の使用、十分に熟したぶどうを使用すること、最大収量75hl/ha、翌年の4月1日よりリリース可能。
ラーゲンヴァイン(畑名入り)・・・・歴史的、気候的、地質学的に地域最高峰の畑のぶどうを使用。
その地域の伝統的なぶどう品種を使用し、55hl/ha以下の収量
制限、丁寧な選果を要する。翌年の9月よりリリース可能。
本当にVDPとそっくりなシステムのような気がしてなりませんが、銘醸地モーゼル地方の品質をより高めて注目を集めるという発展的な動きの一つです。
今後モーゼルのトップ生産者たちの加入を進めていくそうですが、モーゼル地方では進める上で、まだ大きなハードルがあります。
VDPモーゼルは、まだマキシムヘアクンフトへの加入を認めていないのです。
(VDPラインヘッセンでは認められています)
このような動きを含め年々、ドイツ全体で品質向上への改革が進んでいます。
今でもドイツには素晴らしい生産者さんが多くいますが、これらの生産者さんがお手本となり他の生産者さんを引っ張っていくことで、今後まだまだ驚くような品質のワインを産出する生産者が出てくることでしょう。
以上の意味でもやはり、今目が離せない産地です。
ドイツワインを久しく飲んでいないという方はぜひ、一度試してみてください。
以前との品質の変化に驚くことかと思います。