1800年台後半からある醸造所を前ご当主が冷戦期に東ドイツから移住して買い取り、ラッツェンベルガー醸造所の歴史はスタートしました。当時、買い取った醸造所のセラーには、隣接する急斜面の畑から取れた、かなりの年数熟成したリースリングワインや、スパークリングワインが眠っており、その高品質な味わいに圧倒されたことから、この土地の個性を最大限に活かした至高のリースリングワイン造りがはじまります。現在はご当主ヨハン・ラッツェンベルガーさんをはじめ、奥さん、ご両親、そして二人の娘さんとともに、3世代の家族経営でワイン造りを行っています。
「見張り台」の意味の畑名で、河に一番近い急斜面の畑。河の反射の恩恵もあり、できるワインは完熟度の高いパインやトロピカルフルーツのような味わいもあります。その名の通り、この畑の上からバッハラッハ村の全景とライン河を一望できます。
ラッツェンベルガーさんは急斜面の地下に掘られた、年間通して温度の変わらない地下4層にもなる天然のセラーを所有しており、最高の条件でリースリングワインを熟成させています。こちらの大きなセラーがあるからこそ、ゼクトの長い瓶内熟成にも対応しています。
ラッツェンベルガーさんの看板といえば、リースリングで造らえたシャンパン製法のゼクト(スパークリングワイン)! かつて人気漫画「神の雫」25巻でも大きく取り上げられて大人気となった、日本でも話題のゼクトです。 ゼクト専用の畑クロスターフュルステンタールのぶどうを90%、ヴォルフスヘーレ畑のぶどうを10%使用しています。瓶内二次発酵後、当主自らすべて手で動瓶し、ドサージュに10年熟成のリースリングのアウスレーゼを少しだけ添加、最低3年の瓶内熟成・・・としているものの、最近は瓶内で5年以上も熟成することが常になってきました。 そんなこだわりの塊のようなゼクトですが、自慢の大きなセラーと、ラッツェンベルガーさんの大きな懐によって、非常にリーズナブルなお値段で分けていただいています。最近はシュペートブルグンダーのゼクトも手がけており、こちらも瓶内最低6年以上の熟成を経てリリースされています。