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ルドルフ・フュルスト Rudolf Fürst

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Weingut Rudolf Fürst フュルスト醸造所


ジルヴァーナによる辛口白ワインが著名な産地フランケン地方。

フランケン地方の中でも西側に位置し、マイン川の支流、エルフ川に面した産地ビュルクシュタットにフュルスト醸造所はあります。

ルドルフ・フュルストは、今や世界のピノ・ノワール好きの間では知らぬ者はいない存在です。
あのジャンシス・ロビンソン女史やシュチュワート・ピゴット氏を始めとする著名な専門家からも「フュルストはドイツのピノマジシャン」、「ブルゴーニュはビュルクシュタットにあり」と非常に高い評価を得ています。




 

たった1代にして築き上げた名声 ~パウル・フュルストさん~

現在のドイツ赤ワインの名声の立役者でもあるパウル・フュルストさんは17歳でシュロスヨハニスベルクにて研修を終え、1975年の父の死によって若干21歳にしてフュルスト醸造所を引き継ぎました。

当時のドイツではまだまだ甘口白ワインの生産が盛んで、赤ワインは果汁に熱を加えて色素を抽出したものや、甘みの付いたものが主流でした。

そんな中、ブルゴーニュに魅了されていたパウルさんは、ブルゴーニュやオレゴンの著名生産者と知り合い情報を集め、14世紀頃とても良質で「貴重なワインを生産していた」と記録のある地元ビュルクシュタットから1989年に約10年の月日をかけ、フランケン地方から世界を圧巻させるピノ・ノワールを生み出しました。当時、そんな赤ワインがドイツから生まれるなんて誰も想像にもしていなかった為、世界を驚愕させ、「ドイツ赤のパイオニア」と呼ばれ、ドイツワインの品質にVDP(高級ドイツワイン生産者連盟)以上に大きな影響を与えたとして伝説の人となっています。

2003年ゴー・ミヨ誌にて最優秀醸造家に選出。

2019年に、VDP(ドイツ高級ワイン生産者連盟)からビュルクシュタットのツェントグラーフェンベルクを著名にしたことが表彰。

パウルさんに、「ここまで成し遂げるのは、ご苦労もされたのでは?」と問うと「私は運が良かった。受け継いだ畑は良い畑だったので、すぐにお客さんがついた。大事なのは、ただ一生懸命取り組むこと。」といかにもドイツ人らしい実直なお答えでした。

今や、1.5haにしか満たなかった所有畑は22haにまで拡大。
シュペートブルグンダーの歴史にその名を刻み続けています。


天才と呼び声の高い後継ぎ ~セバスチャン・フュルストさん~


パウルさんの長男セバスチャンさん。

国内外の数々の著名生産者を渡り歩き、2007年にフュルスト醸造所に帰還。2008年から中心的に醸造に携わっていたセバスチャンさんですが、2018年より正式に当主を交代。
国内で研修生だった時代から、ドイツワイン業界では「とんでもない若手がいる」と噂になっていたそうです。セバスチャンさんの造るワインのスタイルはパウルさんのスタイルを踏襲しながらも、帰るや否や本格的に全房発酵を取り入れる等、より洗練されエレガントなスタイルになっています。セバスチャンさんもまた、多くの評論家から人気を集め、2018年ファルスタッフ誌、2022年ヴィノムにて年間最優秀醸造家賞に選出されています。

最優秀醸造家賞を親子で受賞し、1つに醸造所で3つ獲得しているのは異例です。

赤色砂岩


フュルスト醸造所の所在地ビュルクシュタットはマイン川の支流エルフ川に面し、シュペサート山地とオーデンヴァルトに挟まれた盆地で特殊なミクロクリマ(局所的気候)を生み出しています。

そして、フュルスト醸造所を語る上で欠かせないのが赤色砂岩土壌。三畳紀の初期に形成された酸化鉄を含む土壌は、名の通り赤褐色をしており、古くから建造物の石材として多く使用されてきました。

赤色砂岩は、非常に水はけが良く、空気を通しやすく、蓄熱性が見込めます。

そのため、とりわけ冷涼なフランケン地方でも盆地であることも相まり良質なピノ・ノワールの育成が可能となります。(フュルストでは、畑の熱をぶどうに与えられるよう、フュルスト醸造所のぶどうの樹を低く仕立てています)

所有している畑

パウルさんが醸造所を引き継いだ頃、ビュルクシュタット周辺のみのわずか約1.5haだった畑は、優良畑を増やし、いまや計22haにも拡大しました。
大きく分けて3つの村に畑を所有しています。(現在は2つの村のみ紹介。後日更新予定)

Centgrafenberg ツェントグラーフェンベルク


ビュルクシュタット(フュルスト醸造所の位置する村)の醸造所周辺に広がる11haを有するVDP認可のGG畑です。

畑は、マイン川の支流であるエルフ川に面した標高約160~250mにある真南向きの約5~20度の斜面です。ビュルクシュタットに隣接するシュペサート山地とオーデンヴァルト(森林)に囲まれた盆地の街ミルテンベルクの気候の影響を大きく受け、温かく、降雨量が少ないミクロクリマ(局所的気候条件)が形成されています。

土壌は赤色砂岩と赤色砂岩の風化土壌。

Hundsruck フンツリュック

 

フュルスト醸造所の中でも、最もスパイシーで力強いシュペートブルグンダーを生み出す醸造所最上の区画フンツリュック。

「犬の背」という意味の名を持つ2.5haを有するビュルクシュタットの畑(ビュルクシュタッターベルク)の東側の特別小区画です。フンツリュックは、1525年当時に固有の畑として認められ、1546年には、税法上の分類によっても認められた畑でした。

しかし、1971年以降フンツリュックは、ツェントグラーフェンベルクに含まれ、単独の畑として認識されなくなってしまいました。現在、フュルスト醸造所の功績によって、2010年に「フンツリュック」という独立したGG(グローセス・ゲヴェックス)の畑として復活を遂げました。

畑は南向きで、一部テラス状、斜面はパウルさん曰く理想的な約20度の傾斜になっています。

表土は風化した赤色砂岩で、他の畑よりも一層赤く、全体的に非常に石がちな土壌で、赤色砂岩の大きいところでは約2mにもなる岩の塊が埋まっているところも。フンツリュックの土壌は、赤色砂岩の特徴がそのまま出ている土壌で、保温性があり、通気性が良く、とても水はけが良いのでぶどうに適度な負荷がかかり、より凝縮した上質なぶどうが生まれます。

ワイン造りにおいて、とても理想的な土壌ではありますが、ぶどうに過度なストレスがかかりやすい為、管理には油断が一切許されない畑です。

シュロスベルク



醸造所のあるビュルクシュタットから車で約20分、北西に離れた同じくマイン川沿いの街クリンゲンベルクにGG(グローセス・ゲヴェックス)の畑シュロスベルクはあります。

このクリンゲンベルクは、ドイツの歴史上ブルゴーニュ系品種の偉大な産地でした。1500年には、音楽家エラスムス・ヴィトマンの歌に「マイン川のクリンゲンベルク、ヴュルツブルクのシュタイン、ライン川のバッハラッハのワインが最高であると私の時代では言われている」と歌われ、1646年メリアンによるクリンゲンベルク産のワインを絶賛する版画が残されており、当時クリンゲンベルク産のワインの品質が素晴らしかったことがわかります。

古城の下の傾斜に扇状に開いた石壁の超優良区画を、モノポール(単独所有畑)として所有しています。

フュルスト醸造所は、この計1.3haのモノポールを含むクリンゲンベルクのテラス状の畑を2004年に購入しました。その際に約100メートルにも及ぶ石壁を修復し整え、ブルゴーニュ産のクローンの樹に植え替えました。

シュロスベルクは南南西~南西に向けて広がる海抜120~130mの畑です。一部、勾配率約40度を超えるテラス状の急斜面の畑もあり、耕作機など一切の機械は使用できず、畑での作業はすべて手で行われます。シュロスベルクの土壌は赤色砂岩。表土は風化した赤色砂岩と赤土。赤色砂岩で組まれたテラスの石壁に日光が反射し、熱を蓄え、夜は林からの冷気の影響を受け寒暖差が生まれるブルゴーニュ系品種に適した畑です。

クリンゲンベルク産のワインはシルキーで、エレガントな中にも、しっかりとぶどうの熟度が感じられます。



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