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冷涼産地で生まれるワインの魅力を探る!ドイツワインの特徴
冷涼産地で生まれるワインの魅力を探る!ドイツワインの特徴
ドイツワインと言えば甘口のイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。
戦後まもなくは、輸出産業として安価な甘口ワインを大量に生産していた時代もありましたが、1980年代の当時20代・30代だった生産者たちにより、伝統品種の使用、畑の精査、糖度よりもバランスのとれた味わい、そして土地の個性を追求した辛口ワインへと大きく変化してきています。
なかなかとっつきにくい印象があるドイツワインですが、このページを見れば大丈夫! ドイツワインの基本をお伝えします。
現在、ドイツの赤ワインと白ワインの生産比率は赤ワインが約33%、白ワインが約67%(2020年度統計)。
1970年代では赤ワインが約10%程でしたので、赤ワインの生産が増えてきているのが分かります。
これは、地球温暖化の影響や、赤ワインの生産技術の発達、世界的に冷涼産地のエレガントな赤ワインの需要が高まっていることが理由として挙げられます。
味わいの生産比率は、 甘口ワインが約26%、中辛口が21%、辛口が49%(2020年度統計)。生産の約70%が食中酒としてのワインになります。
甘口の印象が日本では強いドイツワインですが、実は甘口の生産比率は約30%ほど。その甘口も多くが海外に輸出されており、ドイツ国内ではごくわずかしか消費されません。
上記でも説明した通り、1980年代の当時20代、30代だった生産者が輸出用の甘いワインではなく、自国で食事と一緒に飲まれる辛口のワインの生産を増やしていった、というような背景があります。
ドイツ語では、辛口(ドライ)のことを「トロッケン(trocken) 」といい、食中に飲めるぐらいの甘みが少しだけ残る中辛口(セミドライ、ミディアムドライ、オフドライ)のことを「ハルプトロッケン(halbtrocken) 」と言います。
近年ではワインの味わいを「洗練された辛口」を意味する「ファインヘルプ(feinherb) 」と表現する生産者さんも増えてきました。
ただ、ワイン法上表記義務はありません。ワインを選ぶ際の一つの指標にしていただければと思います。
世界に名を知らしめている伝統品種「リースリング」をはじめ、個性豊かなぶどう品種と冷涼産地の特性を活かしたワインを楽しめるのがドイツになります。
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リースリング | リースリングはドイツを代表する品種で、世界一の生産量をドイツが誇ります。芳醇な果実味とエレガントな酸味を併せ持ち、辛口だけでなく中辛口、甘口、貴腐ワイン、アイスワインまでバラエティ豊かに造られます。地域によっては繊細で透明感のある味わいや、力強さとエレガントさを兼ね備えた味わいなど様々です。他の品種より晩熟なのが特徴的です。 |
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ジルヴァーナー | 17世紀にオーストリアからドイツへ持ち込まれ、1960年代まではドイツで最大の栽培面積を誇っていましたが、ミュラー・トゥルガウにその地位を奪われ、栽培面積は毎年減少傾向にあります。唯一フランケン地域のみがジルヴァーナーを斜面の優良区画にて栽培しており、厚みのある骨格とミネラル感、土臭さを感じさせる素晴らしいワインが造られています。ラインヘッセンでは「グリューナー・ジルヴァーナー」とも称されています。 |
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ミュラー・トゥルガウ | 1882年にラインガウのガイゼンハイム大学にて交配された白ブドウ品種。母方はリースリング、父方はマドレーヌロイヤルとの交配品種です。1960年代から爆発的な人気を誇り1975年にはドイツで最も栽培面積の広い品種になりました。土地を選ばず収量や糖度が安定していたことや、甘口ワインの原料として人気でしたが、1990年代から赤ワイン用品種やリースリング、フランス系の白ワイン用品種に取って代わられていきました。それでもまだマスカット系の芳香を放つ、穏やかな酸でマイルドな口当たりの素晴らしいワインを造っている生産者もいます。 |
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ヴァイサーブルグンダー | ドイツ語でヴァイスは白のことを言い、フランスのピノ・ブランを指します。ピノ・ノワール(シュペート・ブルグンダー)の突然変異種。ドイツの栽培面積は世界1位で近年も増加傾向です。特にバーデンやファルツでは超一級品として堂々と優良区画で栽培されています。ステンレスタンクにて爽やかに仕上げたものからオークの小樽にて発酵熟成させた重厚なスタイルまで多彩な味わいを楽しむことができます。 |
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グラウアーブルグンダー | ドイツ語でグラウは灰色のことを言い、フランスのピノ・グリを指します。ピノ・ノワール(シュペート・ブルグンダー)の皮が黒くなりきらなかった突然変異種。ドイツはイタリア、アメリカについで世界3位の栽培面積を誇ります。近年も栽培面積が増加傾向です。酸が穏やかで、少しまろやかな口当たりとアロマティックな香りが特徴的です。 |
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シャルドネ | ドイツでは高品質な辛口の白として重要性が増してきている品種。1991年にドイツでの栽培が認可されてから栽培面積が増加傾向ですが、品種全体の割合は2%程度とかなり希少です。生産者は害獣や病気の被害に遭いやすいシャルドネの栽培に向き合い、昨今ドイツのシャルドネは世界的に注目を浴びてきてプロを中心に絶大な人気を誇っています。 |
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ゲヴェルツトラミナー | ドイツでは16世紀から栽培されていたことが歴史的文献から分かっている。別名ローター・トラミナー。欧州経済共同体の規定により、ローター・トラミナーの名称で分類された品種だけが、ドイツでゲヴェルツトラミナーの名称で使用できます。バーデン地域ではクレーヴナーという名称も認められています。力強いアロマティックな気品あふれる香りと甘みを感じるほどの豊かな果実味が堪能できます。 |
ショイレーベ | ヘッセン州のアルツァイ葡萄栽培研究所の所長だったゲオルグ・ショイが交配した品種。母方がリースリング、父方がブケットトラウベという品種です。ブケットトラウベは19世紀に開発されたトロリンガーとジルヴァーナーの交配品種。ドイツではソーヴィニヨン・ブランと比肩するほど力を入れている生産者も多く、カシス、桃、洋梨、グレープフルーツなどの香りと華やかなで上品な果実の味わいが特徴的です。 |
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ケルナー | アウグスト・ヘロルトがヴァインスベルク研究所で1929年に開発したトロリンガーとリースリングの交配品種。品種名は詩人ユリウス・ケルナーにちなんで命名されました。ドイツと気候が似ている北海道や東北地方など寒い地域で栽培されています。近年では栽培面積が減少傾向。リースリングに似た風味でフレッシュかつアロマティックな香りを楽しめます。 |
ジーガレーベ | ゲオルグ・ショイがアルツァイ葡萄栽培研究所で1929年に開発したフランスの食用ぶどうのマデレーヌ・アンゲヴァインとゲヴェルツトラミナーの交配品種。マデレーヌ・アンゲヴァインから自然発生したという説もあります。ドイツ語でジーガは「勝者」、レーベは「葡萄の樹」という意味です。甘口ワインのチャンピオンということを意味し、糖度が高くなりやすく耐寒性に優れたぶどう品種の特徴を表しています。ハチミツのような甘みの濃さと上質な酸とのバランスが素晴らしいです。 |
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シュペートブルグンダー | ピノ・ノワールの同義語。ドイツで最も栽培されている赤ワイン用品種。2015年の栽培面積ではドイツはフランス、アメリカに次いで世界3位です。近年栽培面積は増加傾向で品質に関しても飛躍的に向上しているのでドイツは「ドイツはピノ・ノワール大国」と言っても過言ではありません。土壌によって味わいに影響しやすい品種で、北の地域では赤いベリー系果実の繊細で爽やかな味わいで南の地域では黒いベリー系果実の満足感やエレガントな味わいです。 |
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ドルンフェルダー | 1955年にヴァインスベルク研究所でアウグスト・ヘロルトが開発したヘルフェンシュタイナーとヘロルトレーベという品種の交配品種。シュペートブルグンダーについで赤ワイン用品種2番目の栽培面積を誇る。果汁の色が赤紫帯びていて濃い、元々は色の薄い赤ワインにブレンドするために改良された品種です。滑らかなタンニンや上品なベリー系の甘みが特徴的です。 |
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ポルトギーザー | 赤ワイン品種では3番目に多く、日常的に楽しめるように造られることが多いです。早熟で収量が高いのが特徴で1970年代までは盛んに栽培されていましたが、栽培面積は近年減少傾向です。今でも栽培地域の地元で飲まれるワインとして愛されています。赤いベリー系の控えめな香りとシュペートブルグンダーよりも穏やかで軽やかな味わいを感じます。 |
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トロリンガー | 主にヴュルテンベルク地域で栽培されています。あまり海外に輸出されることが少なく、ほとんど地元で消費してしまうほど、地元で根強い人気を誇る品種です。フレッシュで味がしっかりしていて赤い果実のニュアンスの味わいが特徴的です。軽く冷やして飲むスタイルが地元の飲み方です。 |
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レンベルガー | オーストリアのブラウフレンキッシュ、ハンガリーのケークフランコシュの同義語。トロリンガーと同様、ヴュルテンベルク地域の名産品種として知られています。ドイツでは軽快でフルーティーな味わいのものが多いですが、オーストリアではジューシーでタンニンのあるエレガントなスタイルで造られることが多いです。 |
ドイツワイン生産地は13地域あります。銘醸地として有名なモーゼル、ラインガウのような北側の冷涼な地域や、ファルツやバーデンのような南側の少し温暖な地域もあります。それぞれの地域で個性あふれる素晴らしいワインが作り出されています。13地域それぞれの特徴を解説していきます!
・モーゼル地域
ドイツ最古のワイン産地!
モーゼル産のリースリングは世界的にも高評価です。
・ラインガウ地域
水捌けがよく太陽もしっかりあたるので高品質なぶどうが採れます。
パワフルで酸味のある味わいが特徴的。
・フランケン地域
別の名をジルヴァーナー大国!
ボックスボイテルという丸いワインボトルに入れるのがこの地域の伝統。
・ファルツ地域
リースリングの栽培面積世界一!
戦時中は安価なワインというイメージの地域でしたが、
当時の若い生産者によって高品質ワインの町へと移り変わった歴史ある地域です。
・バーデン地域
ドイツのワイン産地の中でも暖かい地域。
シュヴァルツヴァルト(通称:黒い森)に隣接しており
昼夜の寒暖差から、力強くもエレガントな味わいのワインが生まれます。
・ミッテルライン地域
モーゼル地域とラインガウ地域に挟まれた場所にあります。
繊細で心地よい酸があり優しい味わいのワインが採れる
まさに良いところどりの地域!
・ナーエ地域
様々なぶどう品種が造られており、
「ドイツの試飲場」「小さな宝石箱」の異名を持っており、
特性を一言で表せない!!のが最大の魅力です。
・ラインヘッセン地域
ドイツワインの4本に1本はラインヘッセン産!
ドイツ最大の産地です。
甘口デザートワインの生産も行われています。
・ヴュルテンベルク地域
この地域のワインはほとんどが地元で消費されるため
輸出されることがほぼありません。
この地域のぶどうのワインはこの地域でしか飲めない!「赤ワイン王国」です。
・アール地域
13地域の中で唯一黒ぶどうの割合が8割を超える地域。
ハーブやミントの風味が感じられる冷涼地ならではの素晴らしいワインが特徴です。
・ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ地域
ドイツ最小の生産地。
地元消費のため国外へ輸出されることは珍しいです。
・ザーレ・ウンストルート地域
ドイツ最北の小産地。
伝統の辛口ワインが特徴です。
・ザクセン地域
日中の寒暖差が激しく、年間平均気温がわずか8.9℃の地域です。
ドイツワインの中でも最も冷涼で、高品質なワインが造られています。
ドイツワインの法律は時代の流れによって変わり続けてきました。
2021年に新しく施行された法律も含めた最新の情報をご紹介します。
・クヴァリテーツヴァイン
現法律のトップカテゴリー。モーゼルやラインガウのような地方名から単一畑(アインツェルンラーゲ)まで名乗れるカテゴリー。
日本に輸入されているドイツワインのほとんどがクヴァリテーツヴァインの格付けになっており、クヴァリテーツヴァインに指定されていないのは一部のナチュラルワインに限られているのが現状です。
・ラントヴァイン
水地方名よりも広域の名前の付くワインで、地方名とは別に26地域に分類されている名称。
・ドイチャーヴァイン
いわゆるドイツワイン産のワイン。
地方や地域の区分のないワイン。
濁っているナチュラルワインなどは、こちらのカテゴリーに分類されることがあります。
上記のクヴァリテーツヴァインと並列する別分類のプレディカーツヴァインには収穫時の糖度に応じて、6つの等級があります。
ぶどう果汁の比重から求める糖度のことです。
水1Lは通常1㎏で、その水に糖分が溶け込んでいたら勿論重くなります。
例えば、その水が1.001kgだったら1エクスレと定義します。
※あくまでも収穫した際の果汁糖度の指標です。ワインの味わい、甘さや辛さを示すものではありません。
1971年のワイン法改正後に制定された定義で、こちらのぶどうの収穫時の糖度による等級も 後述の2021年ワイン法改正後も今まで通り残ります。
主に甘口ワインの格付けに記載されることが多いのが現状です。
2000年に施行されたドイツワインの品質と味の傾向“辛口”を示す呼称です。
クラシックとはプレディカーツヴァイン以上の辛口ワインの総称。
セレクションとはクラシックよりもより高級な辛口ワインのことで、単一畑の表示が義務づけられていて基準が厳しい格付けでしたが、ドイツワインの市場が浸透せず、現在では使われておりません。
並列する別分類のプレディカーツヴァインには収穫時の糖度に応じて、6つの等級があります。
輸出用の甘口ワインが主流だった1970年代はブドウ果汁糖度に着目した法律でしたが、元々100年以上前のドイツは、素晴らしい辛口ワインが造られていたという歴史もあり、1980年代から原点回帰の辛口ワインを造る生産者が増えて、今では辛口が主流となっています。
そういった時代の流れから2021年に新しいドイツワイン法が施行されました。
主にアール、ミッテルライン、ラインガウ、モーゼル、ナーエ、ザーレ・ウンストルート地域でみられる土壌です。堆積岩が熱と圧力の影響を受けて変成してできた岩石で、元々その時に堆積していた堆積物によって色や構成成分が変わってきます。
石がちな土壌で水はけが良く保温効果があるので、昼間の太陽光の熱を蓄えぶどうの成熟を促します。
ドイツの原産品種リースリングが植わっていることが多いです。この土壌から造られるワインは、ミネラル感を感じやすいと言われています。
ドイツでよくみられるのが青色粘板岩(写真左)、赤色粘板岩です(写真右)。
堆積時の構成成分によって色が異なるだけなので、必ずしもワインの味わいに違いがあるわけではないと言われています。
ドイツワイン生産地全体でみられるのがレス土壌になります。
黄砂のような細かな黄土で、水分を蓄積しやすいです。
粒子はとても細かくて石灰分も多く含まれ、比較的柔らかい土壌なので、ぶどうの根が下まで伸びていき、軽やかで香り高く、それでいて気品のある味わいのワインになります。
主にラインガウ、ラインヘッセン、ファルツ、バーデンなどに多くみられる土壌。
炭酸カルシウムを多く含む土壌で、白っぽい色をしています。
フランスのブルゴーニュやアルザスのような有名な産地でも多くみられ、水はけがよく、保温性に優れ、石灰岩土壌から造られるワインは果実味がリッチで香は華やか、酸もきりっとするのでエレガントなニュアンスの味わいのワインが造られることが多いです。
バーデン地域のカイザーシュトゥールという産地が有名で、他にもファルツやナーエで少し見られます。
マグマが急激に固まってできた土壌で、石灰岩のような酸の強さを感じることは少ないですが力強くて骨格のしっかりしたワインが造られることが多いです。
⾧期熟成させるワインを造るのに向いています。
フランケン西部やヴュルテンベルク地域などにみられる土壌。
その名の通り赤褐色していて、古くから建造物の石材として多く使用されています。
非常に水はけが良く、空気を通しやすくて畜熱性が見込めます。
鉄分も含まれていますので緊張感のあるミネラル感が味わいの後半に残ります。
ドイツは冷涼産地なのでスパークリングワインを造るのにとても向いています。
北緯50度前後のドイツではぶどうがゆっくりと成熟するため、スパークリングワインで欠かせない清涼感に必要な「酸」が残りやすいためです。
世界の5分の1(年間4億本)の消費量を誇る、スパークリングワイン大国のドイツ。
スパークリングワインの世界の生産量はフランス、イタリアに次いで世界3位、1人当たりのスパークリングワイン消費量はなんと世界1位です。
実はスパークリングワインで有名なフランスのシャンパーニュメゾンの設立や、生産、経営に真面目な気質のドイツ人が関わっていたという背景もあり、ドイツはスパークリングワイン大国と言えるほど成長してきました。
●ゼクト
外国から輸入したベースワインを使用して造られたスパークリングワイン。
●ドイチャー・ゼクト
ドイツ産のベースワインを100%使用したスパークリングワイン。
●ゼクトb.A.
ドイツのある1つの指定生産地のぶどうから造られたベースワインを使用したスパークリングワイン
●ヴィンツァーゼクト
醸造所や協同組合が生産したぶどうから造られるベースワインを使用したスパークリングワイン。
デゴルジュマンまで最低9か月間の発酵期間が必要です。
●クレマン
シャンパーニュ地域以外で生産される伝統的瓶内二次発酵法で造られるスパークリングワイン。 ドイツではゼクトb.a.もカテゴリーに属しますが、ヴィンツァーゼクトと同様にデゴルジュマンまで発酵期間を含め最低9か月など、より細かい規定をクリアしたスパークリングワイン。
●シャルマ製法(タンク内二次発酵)
大きなタンクの中で二次発酵をさせる方法。
大量生産に向いていて、コストも低く抑えられるので大きな醸造所で行われることが多い製法です。
二次発酵期間が短いため、リースリングなどの華やかな香りのぶどう品種では、香りとフレッシュな味わいを引き立たせてくれます。
●トランスファー製法(瓶内発酵)
後述の伝統的瓶内発酵の手間とコストがかかるデゴルジュマンに至る作業を簡便にした方法。
瓶内二次発酵をさせた後、ワインを圧力をかけたタンクに移してまとめてろ過して澱を取り除き、再度ボトリングします。伝統的瓶内発酵と比べて泡や風味に大きな違いが表れにくいですが、生産されることが少ないのであまり見かけることがありません。
●伝統的瓶内発酵(シャンパーニュ方式)
瓶内二次発酵後、動瓶しで発生した澱を瓶口に集め、瓶口を冷やして澱を凍らせて取り除く方法。
他の製法と比べて時間と手間がかかりますが、泡がとてもきめ細かく泡持ちも良いのが特徴です。
高級スパークリングワインに多い製法で、芳醇な香りと旨味があります。
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生産者が考えるスタイルによって様々な樽が使い分けられます。
その中でも大きさによってワインへの影響が異なりますので、今回はドイツの生産者が使用する代表的な樽の大きさについてご紹介します。
●バリック
バリック樽とは一般的に小樽のことを言います。
内容量はボルドーでは約225ℓ、ブルゴーニュでは「ピエス」と言い約228ℓなど大きさは様々です。
ドイツは主にフランスからこれらの樽を取り寄せていることが多いです。
小樽は単位量当たりの表面積が大きくなるので、酸化の影響が大きくなり、ワインにココナッツやヴァニラのような樽香を加えたり、赤ワインの渋みを滑らかにしてタンニンのよる刺激を和らげたりすることができます。
●大樽
フーダー樽 (約1,000ℓ)
モーゼル地域で伝統的に使用されている大型の木製樽のことです。
フーダー樽は、通常、容量が1000リットル以上の大きなサイズで作られており、モーゼル地域のワイン生産者が大量のワインを貯蔵するために使用されます。
これらの樽は、ワインにゆっくりと酸化や熟成を促すことで、風味の豊かさや複雑さを向上させる役割を果たしています。
モーゼルのフーダー樽は、地域のワインの特性や風味を引き出すのに重要な役割を果たしています。