葛藤の末。

長い梅雨が続き、蒸し暑い季節となってきました。
マスクが手放せない中、熱中症も心配ですが、皆さまお元気でしょうか?
実は、九州と関西のハーフ。大田黒です。
今回は、先日私が百貨店さんで店頭販売をしていた時のお話です。
大した話ではないですが、開いてしまった方、お付き合いください。
午後から、百貨店の店頭で立っていたとある日。
人出の少ない中、1人のマダムが足早に私に近づき、「さっきここで買い物したんだけど、私のメガネなかった?」と。
無くされた眼鏡を探すべく、店内を見て回りましたが、やはりない。
「見つかり次第、お電話いたしますのでお持ちの携帯番号をお教えいただけますか?」と伺うと
「うん、じゃあお願い!」と携帯電話を取り出して教えてくださるマダム。
そうして、「他にも聞いてみる!」と早々に他のお店に向かって行きました。
その後ろ姿を見つめる大田黒。
少し行った先で、角を曲がるマダム。
その様子を見て、遅れながらも、ふと疑問が浮かんだ。
そう。
“マダムの今かけているメガネは違うのか?”
そんなわけないと思い、聞くのも失礼だと大田黒葛藤。
マダムは、他のお店もいくつか見てきた様子で、まだ探しているということから、あのメガネが探しているメガネだという可能性は低い。
しかし、もしも、あのメガネが探しているメガネだとしたら
他店へ行ってもこの調子だと見つかることはなく、マダムは家へ着いても、肩を落とし、出会った人たちは、私と同じような疑問を抱いて眠れない夜を過ごすことになる。
このままでは、誰一人幸せになれない。
ましてや、このコロナ渦、眠れない人間をこれ以上増やすわけにもいかない。
それに、聞いて怒られたとしても私が少し凹むだけのこと。
ならば、ここで僕が負の連鎖を断ち切ろう。
まさにあのミスチルのHEROのやつです。
"もしも、誰か一人の命と引き換えに世界を救えるとしてー“
僕は、誰かが名乗り出るのを待っているだけの男では、ない!
私は、マダムに駆け寄った。
大田黒「大変恐縮ながら、お伺いします。今かけてらっしゃるメガネは、探されているメガネではないですよね?」
マダム「は?」
と言いながら自身の頭の上を触るマダム。
そして、手はかけているメガネへ。
次の瞬間
マダム大爆笑。
もちろん、大田黒も大爆笑。
マダム「もぉ〜、やぁね〜!私ボケてきてしまって〜!これは、私とあなただけの秘密よ!」
大田黒「あぁ、よかったです!しかし、こんな楽しい話はないですよ!是非、お友達に話してあげてください!」
マダム「あら、そう?ありがとね!」
とにこやかに去っていかれました。
いつぞやのマダムごめんなさい。
やはり、こんな漫画のような話は、話さずにはいられませんでした。
そんなマダムが午前中に、買っていったらしいゲオルグ・ブロイヤー リースリングソヴァージュ。
http://www.herrenberger-hof.co.jp/products_search/germany/rheingau/georg/item_115
きっと、その爽やかなワインが、今日もいい日だったと思わせてくれているはずです。
長くはないとはいえ、よくぞここまでお付き合いいただきました!
ありがとうございました!
それでは、皆様良い夏をお過ごしください。