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スタッフブログ
2022/09/14

マイコレクションの一部

トラウトワインさんの手と火山性土壌の石


火山性土壌のようでありたい

今週のスタッフブログは宮本担当です。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、私はぶどうが造られる畑の土壌について興味のある人間です。

マイコレクションの一部
なんとなくワインと土壌のつながりが見えてくると、情報がないワインでも、畑や土壌の様子を想像しながら飲むのが楽しくなってきます。 これは繊細なワインが造られる、ドイツ、オーストリアワインならではの楽しみ方ですね!
そんな私の最近のマイブームは「火山性土壌」です。

トラウトワインさんの手と火山性土壌の石
ドイツでの火山性土壌はバーデンのカイザーシュトゥールが有名ですが、ファルツやナーエなどにも少しだけ点在しています。
火山性土壌からできるワインの特徴、それは「若いうちは割と地味」だということ(私の主観です)
例えば石灰岩土壌のワインは、若いうちから果実味もリッチで香りも華やか、抜け感があり、酸もキリっとしている、人見知りしない優等生、いわゆる「陽キャ」というやつだと思います。
それに対して、火山性土壌のワインは、ミネラル感がかなり強いものの、果実味はまろやか、香り控えめ、酸は丸く、全体的に内向的、いわゆる「陰キャ」です(あくまでも私の主観です)。
ただ、この火山性土壌のワイン、ちょっと熟成させる、もしくは抜栓後時間がたつと、とっても繊細な香り、果実味がじんわり出てきて、強いミネラル感と調和し、絶妙なバランスを醸し出し、心の深いところに突き刺さるような味わいになります。 この味わいは火山性土壌ならではの美点ですね!
最近、熟成したものや、ちょっと時間がたった火山性土壌のワインを飲む機会が何度かあり、その味わいのエレガンス、素晴らしさに打ちのめされていました。
陽キャではない私も、こんな熟成した火山性土壌のように、派手さはなくても人の心に深く突き刺さる人間性でありたいと思うばかりです。
そんな機会もあって、火山性土壌のワインの見方が変わったので、改めて若くて少し地味なワインも、空気と触れさせながら飲んでみると、飲み疲れせず、ちょっとずつ開いていく味わいがクセになってきました。
ただ、火山性土壌のワイン、地味な味わいは生産者もある程度承知のようで、様々な打ち出し方をしています。
パターン1 熟成させてからリリース

先日入荷した、ヴィラヴォルフ醸造所のフォルスター ペヒシュタインがまさにそのパターン。 2017年ヴィンテージが現行です。 ちょうど味わいが開き始めたタイミングなので、すぐに火山性土壌の良さを味わうことができる、とってもお得なリースリングです!
パターン2 アロマティック品種で強行突破

トラウトワインさんの白ワイン「ブラン」、こちらはアロマティック品種をいろいろブレンドすることで、地味になりやすい火山性土壌のワインを、華やかに着飾った味わいに仕上げています。土壌由来のミネラル感や柔らかさはそのままに、香りや果実味は黄桃のように華やか・・・ いいとこどりですね!
ちなみに、ヘレンベルガーの火山性土壌のぶどうを使ったワインはこちらです。
ぜひ機会があれば、火山性土壌のワインを時間をかけながら飲んでみてください。 クセになりますよ!
宮本