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イベント情報
2024/04/30

2024年ドイツワイン生産地を襲った遅霜害と利点について

ヘレンベルガー・ホーフ株式会社‐ドイツワインの輸入卸
先月4月23日から2日間にわたって、ドイツのワイン生産地域で遅霜被害が報告されています。
※ドイツワイントピックスは、本来毎月2週目の投稿ですが今回は急ぎで投稿しています。
 
◆被害状況について
 
被害地域は、主にモーゼル、ナーエ、フランケン地方(ラインヘッセン、ラインガウの一部)でした。

2024年の春は早い時期に暖かくなり始め、ぶどうの樹の発芽は例年よりも約1週間以上早まりました。
このことにより、各生産地域ではすでに芽が5㎝ほど伸びた状態でした。
連日の雨もあり、湿度が高い状態で氷点下の朝を迎えたことにより多くの畑で遅霜の被害に見舞われました。



実際の畑の映像です。

もちろん各地の生産者さんは、協力し合い早朝3時頃から畑にバケツで火を焚き霜の対策を講じました。
しかし、同じ箇所でも被害は出てしまいました。
遅霜の害は、もちろん収量減にはなりますが、以前のドイツワイントピックスでも取り上げたようにぶどうの樹には主梢のほかに副梢を2つ備えています。これらが機能することができれば被害の軽減になりえます。

その結果も被害の日から2〜3週間先になるので現段階では何とも言えません。
もしも、この副梢が機能しなかった場合もしくは、現段階で収量として8〜9割以上失ってしまう生産者さんが出てきています。

◆霜に遭いやすい畑



同じ地域で遅霜の被害が出たといっても醸造所によってその被害の規模は、それぞれ異なります。
その要因としては、主に2つ。しっかりと対策を講じることができているか、または同じ地域であっても霜に遭いやすい畑をどれくらい所有しているかです。

対策については、霜対策用の枝を剪定時期に確保していたかということと上記にある火を焚いて対策することができたかという点です。
では、霜に遭いやすい畑というのはどういった畑なのか。
これには「標高が低い畑や、斜面下部の畑」が当てはまります。
冷気は、朝方低い場所にたまりやすく急激に畑を冷やすので、標高の高い畑や斜面上部の畑を所有している生産者さんは、被害が少なく済むことが多いのです。

※ちなみにドイツには、農家に対する霜の保険もあります。所有栽培面積当たりの額が決まっており、申請後調査の上保険を受けることができます。(経営上の被害を軽減することはできますが、まかないきれるような額ではないため多大な損失になるのは変わりありません)

◆遅霜害の利点とは?

遅霜によって確かにぶどうの収量は減ってしまい、ワインの生産量は落ちてしまいます。
しかし、品質が低下するということはありません

むしろぶどうの樹に成るぶどうを早い段階で制限できたことにより、量は少なくなるものの品質が向上する要因になりえるのです。

ここでご理解いただきたいのは遅霜が品質低下につながる要因ではないということです。
ですので「2024年は遅霜があったからヴィンテージとして良くない」とかいうことは、ありません。(でないと生産者さんが自らのSNSに投稿したりなんてしません)

とにかく今は、副梢がきちんと機能して回復し今後の好天に恵まれることを願うのみです。

私個人としても収量が減ったのは残念ですが、今年もまだまだどんな年になるのか楽しみです。

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