スタッフブログ
2023/06/22

「レス土壌に焦がれて」

ヘレンベルガー・ホーフ株式会社‐ドイツワインの輸入卸
今週のブログ当番は宮本が担当です。

ドイツやオーストリアのワインの名前には、その畑の土壌、地質をそのままワイン名にしているものがあります。
ベッカーさんのカルクメルゲル(泥灰石灰岩)、ケラーさんのライムストーン(石灰岩)など。

ワインの味わいと畑の地質や土壌は密接な関係があり、造り手の皆さんは、必ずといっていいほど畑の土壌や地質の説明をします。

私もそれを受けて、行く畑の土壌サンプルとして、石を集めており、よく説明の際に使用してきました。



ただ、ここ数年、ドイツのバーデンや、オーストリアのニーダーエストライヒのワインの説明をする際、

「レス土壌」

の話をすることが多くなりました。

いわゆる黄砂のようなもので、細かな黄土です。本や写真で見ると、とてもきれいで、レス土壌の堆積した壁もあるとか。
今まで現地に渡航した際は、レスに注目して見たことがありませんでした。

改めてレス土壌で造られたワインを飲むと、軽やかで香り高く、それでいて気品のある味わい。


いいなぁ、レス土壌・・・


見たいなぁ・・・


欲しいなぁ・・・



そして今回、5月にドイツに渡航してきた際に、ついにそのチャンスが巡ってきました。

バーデンの銘醸、カイザーシュトゥールのトラウトワインさんを訪問してきた時です
久しぶりにトラウトワインさんに会えるのがとてもうれしかったのですが、畑は火山性岩にレスが堆積している土壌というのを事前に知っていたので、畑を見るのも楽しみにしていました。



これがトラウトワインさんの畑。とても柔らかな土壌で、お手製の有機肥料のおかげで活性化されています。





右がトラウトワインさんの畑の土壌。他の生産者の土と比べて、きめ細やかで、とても爽やかな香りがします。


そして畑からワイナリーへ戻る途中に、写真で見たことのある光景が。




レスの堆積した壁、発見!!


「ちょっと車止めて!!」


慌てて飛び出て近くで見ました。

いやぁ、写真で見たとおり! とてもきれい! トラウトワインさん、ドン引き苦笑いwww


さらに、このレスの壁には穴がいっぱい空いており、この地域の鳥、BeeEater(ハチクイ)の巣になっているのだとか。
鮮やかな青とオレンジ色した鳥が、この穴に出入りしている様子も見ることができました。


そして・・・




 
ゲットしました、レス土壌!
とても純度の高い、さらっさらのレス・・・


今回の渡航では石とか砂とかいろいろ採集しすぎて、スーツケースの重量ギリギリだったので、フライブルグのワインショップで見つけた2004年のケラーのリースリングもあきらめざるを得ませんでした。


改めて文章にしてみると、気持ち悪いなぁ~自分・・・

なんで2004年のワイン買わなかったんやろ


宮本