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ドイツワイントピックス
2021/02/10

ドイツのゼクト(スパークリングワイン)の新しい規定について

ヘレンベルガー・ホーフ株式会社‐ドイツワインの輸入卸

新企画!! 大田黒 匡俊のドイツワイントピックス!

毎月第2週目に大田黒が目まぐるしく変化するドイツワイン事情を必死に追いかけ、頭から煙を出しながらも皆さんにお伝えすべく奮闘する企画でございます。

今回が記念すべき1回目。

テーマは

「ドイツのゼクト(スパークリングワイン)の新しい規定について!」

 
皆さん、ゼクトはお好きですか?

実はドイツには、高品質なスパークリングワインがたくさん存在しています。

中には、手作業で収量を徹底して絞り、約10年も熟成期間をとったもの、さらにはドザージュ(門出のリキュール)に高級貴腐ワインを使用し複雑味を出したりと労力、時間、コストのすべてが費やされたものもあります。

にもかかわらず驚くべきことにそんな高品質なスパークリングワインが、10,000円を大きく下回る価格で販売されているのです。

 

今回は、そんなドイツのスパークリングワインがもっと高品質になるというお話です。

ラッツェンベルガー醸造所:すべて手作業で丁寧に工程が進められ、瓶熟5年、門出のリキュールには自社の10年熟成のアウスレーゼを使用。



バッハラッハー リースリングゼクト 小売希望価格3,700円


目次

①ドイツ人はスパークリング大好き

②そもそもゼクトって?

VDPが新しい規定を制定!

まとめ

 

1.ドイツ人はスパークリング大好き

スパークリングワインと言えば、おそらく皆さんが一番に思いつくのがシャンパーニュ(シャンパン)でしょう。

なんたって日本は、シャンパーニュの年間購入量世界3位に位置しています。

 

気になるドイツは、4位です。

ドイツには、日本のように繁華街需要が大きいわけではなく、一般的にスパークリングワインを好む傾向にあります。(ドイツ人はワインに限らず炭酸飲料大好きです)

さらにスパークリングワイン全般では消費量世界第1を誇ります。

なんと年間4億本のスパークリングワインが消費されています

この4億本という数は、世界で生産されているスパークリングワインの4分の1を占める程で、いわゆる泡好きな国民性なのです。

 

そんな泡好きの国の生産者さんがスパークリングワインに注力しないはずがありません。

実際に素晴らしいスパークリングワインが生産され、世界中から人気を集めています。

しかし、日本ではシャンパーニュに比べるとまだまだ認知されていないのが現状です。

 

 

2.そもそもゼクトって?

「ゼクト」はご存知でしょうか?

名前は、聞いたことあるけど、正確にどういうものかと聞かれると「えーと・・・」となる方が多いかと思います。

 

ゼクトとは、ドイツで販売される温度20度の状況でガス気圧3.5バール以上、アルコール度数10%以上の二次発酵によって造られたスパークリングワインのことを指します。

つまり、ドイツが販売している泡がしっかりとしたスパークリングワインです。

 

一口にゼクトと言っても、生産国、地域を限定する分類が存在しますが、泡の強さにおいてはシャンパーニュ相当のドイツから来ているスパークリングワインという認識で良いかと思います。 (製法や熟成期間によって泡の質は変わって来ます)

 

高品質なゼクトが多く生産されていますが、国の規定で今までは、いわば簡単な原産地呼称しか定められていませんでした。

そこで、品質の底上げと世界へ向けての発信力を高めるべくVDP(ドイツ高級ワイン生産者連盟)が新しい厳格な規定を設けたのです。

 

3.VDPが新しい規定を制定!

ワシのマークでお馴染み!VDP(ドイツ高級ワイン生産者連盟)がドイツのスパークリングワイン「ゼクト」の品質向上を目指し、2021年より新しく規定を設けます。

 

名称はVDPゼクト(VDP.SEKT)

VDPゼクトプレステージ(VDP.SEKT.PRESTIGE)

の2種類です。

使用されるベースワインの規則は基本的には今までのVDPのスティルワインの規則が適応されます。

 

基本的にドイツのワイン法で定められていなかった瓶内二次発酵、熟成期間、自社栽培、手摘み、全房圧搾、品質検査などの決まりが盛り込まれています。

より労力と時間をかけることにより、もっと素晴らしいゼクトを作りましょう!」という内容です。

 

VDPゼクトの規定とVDPゼクトプレステージにおける大きな違いは、主にその熟成期間と名乗れる範囲(村名までと畑名まで)、品質検査がプレステージはより厳しいものであるということです。

 

ドイツにおけるゼクト全体の品質向上に大きく貢献する一つの柱となるでしょう。

 

4.まとめ

今、ドイツでは世代交代が多く行われ、日を追うごとに品質が向上しています。

今回のゼクトにおいては、VDPが尽力している形ですが、現在ドイツでは、国を挙げてドイツワイン自体の品質を高めるために予算を投じる等、ドイツワイン事情から目が離せません。

 

隣のオーストリアもすごいスピードで改革していっていますが・・・。

 

そんな今をお届けすべく新企画“ドイツワイン(たまにオーストリアも)トピックス”大田黒が毎月2週目に頑張って配信して参ります!

 

次回もお楽しみに!