【ドイツワイントピックス】アルフォンスさんが教えてくれたこと①

今回も大田黒が張り切ってお届けします!
ちょっと長いです。情報過多気味です。そして、少しマニアックです。ご注意ください。
先日、ヴィーニンガー醸造所よりエクスポートマネージャー兼3つ星レストランのソムリエ兼栽培・醸造ディレクターで、醸造所でやってないことを数えた方が早そうなくらいのスーパーマン、アルフォンス・ヴィマーさんが来日しておりました。
今回はアルフォンスさんと計5日間、行動を共にした中でヴィーニンガーさんのワインの今まで伝えきれていなかった魅力を、実際にあった質問も交えてご紹介していきます。
① ゲミッシュターサッツってなに?
そもそも、ゲミッシュターサッツはドイツ語で「混植」を指します。
簡単にいうと、ぶどう品種の混植混醸のことです。
実際にオーストリアのワイン法であるDACに「ウィーナー・ゲミッシュターサッツDAC」として登録されたのは、2013年。
ゲミッシュターサッツは、中世の時代から続いてきました。
古くは、さまざまなぶどう品種を混植することで、それぞれの品種の生育時期の違いを利用し、霜や病害などによる収量低減を防ぐためのテクニックでした。
当主フリッツ・ヴィーニンガーさん
1980年代にゲミッシュターサッツの本来の魅力に気づいたフリッツ・ヴィーニンガーさん(現ヴィーニンガー醸造所当主)は、徹底した品質管理を行い、当時商業的イメージのあったゲミッシュターサッツを高品質なワインへと昇華することに努めました。
そうやって取り組んでいくうちに、周りの生産者も追うようにゲミッシュターサッツを打ち出し始めました。
しかし当時は、ゲミッシュターサッツに特にルールがなく、畑の区画が別々のぶどうをプレス機に入れる際に混ぜたり、さまざまな手法で「ゲミッシュターサッツ」として売り出されていました。
その状況を整え、ウィーンの文化を守るべく制定されたのが前述の「ウィーナー・ゲミッシュターサッツDAC」です。
その規定は以下のとおりです。
・オーストリア認可の白ぶどう品種を使用すること
・畑に3種類以上のぶどう品種が植っており、1番比率の高い品種が50%以下、3番目に比率の高い品種が10%以上であること(制定以前の高樹齢の畑を除く)
・1つの区画を同時に収穫し、同時に醸造すること
これらの規定は、監査機関による収穫前後の点検が入ることもあります。
② 品種それぞれ熟度が違う状態なのに、同時に収穫して大丈夫?
アルフォンスさん曰く、収穫のタイミングは、
何より、個人的に興味深かったのはゲミッシュターサッツの畑のぶ
これは、ぶどうの樹々が成長することによって根の側根(
ビオディナミの考え方の一つですが、
③ 混植というのは、畑の中で畝ごとに品種を分けて栽培している?
ヴィーニンガー醸造所の所有する区画で、畑の中で品種が区分されているのは2区画のみ。
その他のゲミッシュターサッツの畑は、さまざまな品種がランダムに植えられています。
実はここにもフリッツ・ヴィーニンガーさんのこだわりがあります。
新しい苗木を植える際、冷蔵庫内で別々に保存されている苗木をランダムに混ぜ合わせ、どれがどの品種かわからないようにします。
そして、その苗木を自分では植えず、必ずスタッフさんや自分以外の人に植えてもらうという徹底ぶり。
そのため、ヴィーニンガーさんの畑では異なる品種の樹が隣り合って植わっているのです。
④ 病害などで樹を植え替えるとき、品種はどう選定している?
基本的には、以前も植っていた品種の中から選ぶそうですが、
植え替えの際、
ヴィーニンガーさんの高樹齢から造られるゲミッシュターサッツは
今まで、
本当は、
次回もヴィーニンガーさんについて書こうかな。
ここまでお付き合いいただきました皆様。
ありがとうございました!
懲りずに次回もぜひご覧ください。
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