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ドイツワイントピックス
2023/02/07

ドイツワインをわかりやすくしよう第1弾!

ヘレンベルガー・ホーフ株式会社‐ドイツワインの輸入卸

このドイツワイントピックスも気が付けば気づけば今回で24回目。

いつの間にか2年が経ちました。

 

コツコツと続けていれば・・・とよく言いますが、果たして毎月見てくださっている方がいたりするのでしょうか?ご覧いただいている皆様ありがとうございます。

とにかく一生懸命書いています。

これからもどうぞ見守っていただけると嬉しいです。

 

さて、24回目の今回はドイツワインに触れる際に出てくる名称等をドイツ語の意味を紐解いて、わかりやすくとっつきやすいものにしてしまおう!企画第1弾です。

これで少しでもドイツワインに親しみをかんじてくれる方が増えるのを願っています。

 

ということで

テーマは「ぶどう品種にまつわるドイツ語」です。

 

ドイツワインと言えば、ソムリエ有資格者の方に聞いても「名前が長いしややこしいし、ドイツ語が分からないからとばした」とよく言われます。

(ちなみに私はフランスワインを勉強する際に同じ気持ちでした。もちろん避けては通れませんでしたが笑)

 

今回もできる限りシンプルにお伝えします!

 

 

品種はドイツ土着のぶどう品種やシノニム(同異義語)として覚えた方も多いでしょう。

土着品種や特有の後輩品種を一つ一つ取り上げるのは、今回きりがないのでやりません。

あくまで覚えておくと応用も効く便利なものにかぎって取り上げます。

(普段の会話や地域の名前でも出てくるものも多くあります)

 

◆Burgunder(ブルグンダー)=「ブルゴーニュ」

シュペートブルグンダーをはじめとするいわゆるブルグンダー系品種は~ブルグンダーというように前に何かしらの単語が付きます。

ワインがお好きな方なら特にそれぞれの単語の意味から、その品種が何を指すのかわかるかと思います。
よくシノニムを間違えることがあるかと思いますが、いわば前の短い単語の意味だけ覚えたら解決します!

 

ブルグンダー系の主な例

 

・Weiss(ヴァイス)=「白」 Weissbuergunder(ヴァイスブルグンダー)

フランス→ピノ・ブラン

イタリア→ピノ・ビアンコ

※それぞれの言語でブランもビアンコも白という意味で共通していますね。

 

・Grau(グラウ)=「灰色」 Grauburgunder(グラウブルグンダー)

フランス→ピノ・グリ

イタリア→ピノ・グリ―ジョ

※こちらも同じ灰色という意味で共通しています。

 

・Spät(シュペート)=「遅い」 Spätburgunder(シュペートブルグンダー)

「遅い」という意味ですが、他の品種と比べて「晩熟」であることから“遅い”ブルゴーニュ系品種ということでSpätがついています。

Spätlese(シュペトレーゼ)も同じく「遅い摘み取り」を意味しています。

 

・Früh(フリュー)=「早い」 Frühburgunder(フリューブルグンダー)

こちらは「早熟」を意味します。シュペートブルグンダーよりも収穫が約2週間早いことからこの名がついたとされています。仏語名:ピノ・マドレーヌ

主にアール地方などのドイツの中でも北側の産地によく見られます。

 

※各単語とburgunderの間にerが付き母音の「あ」に繋げて伸ばすWeiss”er”burgunder(ヴァイ”サー”ブルグンダー)のような表記もありますがこれを説明するとドイツ語文法がメインテーマになってしまうのでそういうパターンもあると覚えてください。

 

◆覚えおくととっても便利!品種に関わる頻出単語集(上記以外)

・Rot(ロート)=「赤」

例:

-Rotertraminer(ロータートラミナー 墺)

ゲヴュルツトラミナーと同じトラミナー系の品種でアロマティックな香りと豊かな果実味が特徴です。

-Rotgipfler(ロートギプフラー 墺)

オーストリアの東部で主に生産されている品種でトロピカルなアロマが特徴です。

-Roter Veltliner(ローターフェルトリーナー)

オーストリア土着品種。ヴェルトリーナー系の親品種とされています。

墺:オーストリアで主に栽培されている品種です。

※Rotがついていても上記の品種は、白ぶどうです。ぶどうの果皮が赤身を帯びています。

その他:Rotwein(ロートヴァイン)=「赤ワイン」

 

・Blau(ブラウ)=「青」

例:

-Blauburgunder(ブラウブルグンダー)=ピノ・ノワール

黒ぶどうはよくこのBlau(青)が付くことが多いです。黒ぶどうというよりは確かに青というか紺色ですよね。

-Blauer zweigelt(ブラウアーツヴァイゲルト 墺)

ブラウアーとついていますが、ツヴァイゲルトのことです。

-Blaufränkisch(ブラウフレンキッシュ 墺)=Lemberger(レンベルガー)、ケークフランコシュ

Fränkisch(フレンキッシュ)はドイツのフランケン地方を指すようですが、原産は違うようです。通称「東のピノ・ノワール」と呼ばれるオーストリアの超重要品種です。

-Blauerwildbacher(ブラウアーヴィルトバッハー 墺)

Wild(ヴィルト)=ワイルド、Bach‹er›(バッハー)=小川

墺ヴェストシュタイアーマルクの名産シルヒャーの原料ぶどう品種。果皮が厚く酸度の高い品種です。

 

・Schwarz(シュヴァルツ)=「黒」

例:

-Schwarzriesling(シュヴァルツリースリング)=ピノ・ムニエ、ミュラーレーベ

黒いリースリングという名前です。なぜリースリングという名前がついているかは謎でぶどうの形が似ているから?という話もあります。

 

その他:Schwarzwald(シュヴァルツヴァルト)=「黒い森」や、Schwarz Katz(シュヴァルツカッツ)=「黒猫」

 

・Grün(グリューン)=「緑」

例:

-Grüner Silvaner(グリューナージルヴァーナー)

ジルヴァーナーの正式名称です。実はグリーンのというのが付くんです。

 

-Grüner Veltliener(グリューナーフェルトリーナー 墺)

今やオーストリアと言えばいう品種になっているのではないでしょうか。

多くのワインが白コショウとややグリーンのノートを感じる爽やかで軽快な口当たりでカジュアルなワインから高級レンジまで幅広い品質のワインが生まれる品種です。

 

・Gelb=「黄」

例:

-Gelber Muskateller(ゲルバームスカテラー)

マスカット系品種です。中でも少しスパイシーなニュアンスがあります。

-Gelber Orleans(ゲルバーオルレアン)

19世紀に最も多く栽培されていた品種のようですが現代ではあまり見かけることは多くないです。

-Gelbertraminer(ゲルバートラミナー)

トラミナー系品種の品種です。

 

・Rosa(ローザ)

例:

-Rosen Muskateller(ローゼンムスカテラー)

ムスカテラー系品種の黒ぶどうです。甘口ワインが良く造られています。

 

・Muskat(ムスカ―ト)=「マスカット」

例:Muskateller(ムスカテラー)、Gelber Muskateller(ゲルバームスカテラー)、Roter Muskateller(ロータームスカテラー)、Muskat Ottonel(ムスカ―トオトネル)、Morio Murkat(モリオムスカ―ト)

※重複もあるので説明は割愛させていただきます。

 

・Gewürz(ゲヴュルツ)=「スパイス」

例:

-Gewürztraminer(ゲヴュルツトラミナー)

皆さんご存知。アロマティック系品種代表と言えるのではないでしょうか。

Traminer(トラミナー)は「トラミン村の」という意味です。イタリアのトラミン村から由来しています。

その他:Würzig(ヴュルツィッヒ)=スパイシーな

 

・Sankt(ザンクト)=「聖」

例:

-Sankt Laurent(ザンクトローレント)

正式名称“Pinot Sankt Laurent”と呼ばれ、実はピノ系品種です。ピノよりもスパイシーで力強いワインとなります。8月10日の聖ローレンスデーのころに色づきが始まることからその名がついたとされています。

 

 

いかがでしょうか?この他にも、人の名前が由来しているものや、その土地が名前に反映されているもの等きりがないほどあります。今回は、これを覚えておけば便利あくまで汎用性重視でご紹介しました。

もちろんご存じの方もいらっしゃったかと思いますが、大体カタカナで意味を知らずに覚えたという方が圧倒的に多いかと思います。

 

特に色を意味する単語がついているものが多く、初めて聞く品種でも「果皮に赤みがあるんだろうな。ということはこんな品種に近いのかな」等イメージが付きやすくなり、ドイツワインがもっと興味深く楽しくなるのでおぼえていただくのがおすすめです。

意外と品種にまつわるドイツ語の意味をまとめたものがなかったのでお役立ていただけると嬉しいです。

 

また次回もお楽しみに。