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ドイツワイントピックス
2024/11/13

セバスチャン・フュルスト初来日!新リリースの2022年情報も!

ヘレンベルガー・ホーフ株式会社‐ドイツワインの輸入卸
先週(11月5日〜9日)まで、ルドルフ・フュルスト醸造所の当主セバスチャン・フュルストさんが初来日しておりました。

何より一番にお伝えしたいのが底なしともいえる人柄の良さです。
私自身、ドイツで1年間お世話になった上、近年の来日スケジュールの中でもベリーハードだった今回の来日も全行程帯同しておりましたが、
よりセバスチャンさんの人柄の良さに触れられた気がしています。

思い返せば、1年間フュルストでお世話になった際も、一度たりともセバスチャンさんの機嫌が悪かったり、
話しかけづらくて私やスタッフが気を使ったりというシュチュエーションは一切ありませんでした。
今回の来日の際も、私自身反省するほどのかなりハードなスケジュールにも関わらずに笑顔を絶やさず何度でも同じ質問に100%の熱量をもって答えてくださいました。



↑お客様からいただいたプレゼントをフル装備。

そんなセバスチャンさんとご案内した2022年のワイン。
今回得たワインの情報を皆さんにも共有したいと思います。

◆2022年のヴィンテージに関して
2022年は、一言で言うと温暖な年
とはいっても、もともとが冷涼な産地であるためアルコール度数が高くなりすぎることもなく涼やかな味わいは十分にキープできています。
収穫できたぶどうは非常に健全で品質が良く量も満足できる量が採れた年です。
冷涼年であった2021年は比較的ワインが開くまでに時間がかかった印象とは逆に、
2022年は初めから香りが上ってきて少し柔らかさを感じます。特にシュペートブルグンダーにおいては、
トラディションとビュルクシュタッター(村名格)、クリンゲンベルガー(村名格)はとりわけ早くから開いている印象です。
全房発酵の比率は、特級クラスで100%、村名でも60〜70%と高い年です。

フュルストさんのシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)は、個性として大きく2つの村に分類されます。

ビュルクシュタット村(5種)とクリンゲンベルク村(2種)です。

◆冷涼な個性 ビュルクシュタット村
フランケン地方の背骨ともいえるマイン川から脇に離れた谷合にある南向き斜面であるビュルクシュタット村の畑は、
クリンゲンベルク村の畑とは異なり、中でも冷涼な個性を持ちます
キャラクターとしての香りは黒系のベリーのニュアンスを持ち、涼やかさを秘め、渋みはクリンゲンベルクよりも多く感じられます。
この村には2つのGG(特級畑)があり、それぞれ個性が違います。

・ツェントグラーフェンベルクGG



少しだけサワーチェリーのようなニュアンスをベースに黒いベリーのニュアンスが漂う、
ちょうどクリンゲンベルクの特級であるシュロスベルクとビュルクシュタットのもう一つの特級フンツリュックの
ちょうど間のような個性を持つのが特徴です。

・フンツリュックGG


ビュルクシュタットの中でも真南向きの他の畑と比べやや斜度のついた畑で、
高密植で赤色砂岩の土壌の中でもとりわけ赤味が濃いのが特徴です。フンツリュックは、
黒いベリーのニュアンスが主体的で紅茶の茶葉、スパイス、野バラのような香りを放ち
最も力強く、複雑な味わいになります。
香りと味わいともに花開くのには最も時間の必要なワインですが状態の良いフンツリュックに巡り合えると、
フュルストの真骨頂が体験できるはずです。


◆温暖な畑 クリンゲンベルク村
クリンゲンベルク村のぶどう畑は、その景観から特徴的で、
この地域一帯の土壌である赤色砂岩から造られた石壁が1ヘクタール当たり4kmにもなる距離で敷き詰められています。
蓄熱性能を持つその石壁の影響と、川に面した最大斜度45度にもなる段々畑という構成によって顕著にビュルクシュタットよりも温かい個性を持っています。
香りはサワーチェリーのような赤い果実の香りが中心で、柔らかで繊細さを持ち、渋みはしなやかです。
この畑には、2シリーズしかなくクリンゲンベルクは、特級シュロスベルクの若木を使用したワインです。


今回セバスチャンさんとの同行で、興味本位で各イベントごとにビュルクシュタット村とクリンゲンベルク村のどちらが好みかアンケートを取らせていただいたところ、すべてのイベントに置いてほぼ半数ずつに好みが割れるのも面白い点でした。


そして、各地で大絶賛をいただいたのがシャルドネです。

今回、提供させていただいたワインはアストハイマー シャルドネとシャルドネRという同じ村の2種または、どちらかだったのですがこれが途轍もない反響でした。

各地でものすごい価格のワインと比肩する評価をいただきました。

私自身も2019年のRが初めて入ってきて試飲した際に衝撃を受け、今も大好きなワインの一つです。

◆アストハイム村



醸造所から約東に100キロ離れた水はけのよい痩せた貝殻石灰岩の土壌を持つアストハイム村にシャルドネは植わっています。
赤色砂岩と比べ、酸のテクスチャーが柔らかくなります。合計3.5haの畑で生産量も非常に少なく、
人気が高いためドイツ国内でもほとんど見かけることがなく両ワインとも手に入りにくいワインです。

2022年は、柔らかく塩気を帯びたミネラルに富んでいて比較的早くから楽しめます。
現在ではまだ若々しさが残りますが1年〜2年待つとより楽しんでいただけるかと思います。

・アストハイマー シャルドネ
シャルドネRの弟分。樹齢20年前後の比較的若い樹のシャルドネを使用。
もともとぶどうの収量が採れない痩せた土地で、柔らかで塩気をおびたミネラルとうまみをしっかりと感じる繊細で緻密な構成のシャルドネです。

・シャルドネR
醸造所のシャルドネのトップクラス。アストハイム村の約0.8haの超優良区画の樹齢27年のシャルドネを使用。
収量僅か20hl/haの超低収量。ミネラル、酸、うまみ、樽のニュアンスが渾然一体となって編み出される味わいは、壮大なスケールを感じさせます


今回の各イベントにご参加いただきました皆様よりたくさんうれしいお声をいただいております。
ワインの品質はもちろんのこと、セバスチャンさんの人柄に触れていただきワインを愉しんでいただけたことが何よりの貴重な機会でした。

日本でフュルストワインが広く認知されることは、同時にドイツワインの多様性に対する認知を広げることにつながると思っています。

是非、ご家族、ご友人等ワインが好きな方とともに今後ともフュルストワインをお楽しみください。


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