急斜面の畑が好まれる3つの理由

【急斜面のぶどう畑】
ドイツの銘醸地モーゼルやラインガウでは、写真ような急斜面の畑がよく見受けられます。機械が一切入れない、このような過酷な環境で、命がけでぶどう栽培を行うのは、次の理由があります。
1、日照量を稼ぐため
ドイツは冷涼でワイン生産地の北限。北国の低い位置の太陽に対して畑をなるべく垂直にすることによって、日照量を得ることができます。また、川からの反射光を得ることで、日照量が約30%アップすると言われています。
2、水はけをよくするため
モーゼルやラインガウの主要品種といえばリースリング。リースリングは水はけのよい畑を好みます。水はけがよいことにより、ぶどうが濃縮し、果実味豊かでジューシーなワインになります。
3、岩石含有率を高くするため
モーゼルやラインガウの畑の典型的な土壌は粘板岩。スレートやシーファーとも呼ばれるこの土壌、4億年ほど昔の海底の粘土が圧縮されて層になっている岩で構成されています。急斜面で表土が流れ、石がちな土壌となることで、リースリングやピノ・ノワールはミネラル感がとても強い味わいとなります。
画像はラインガウ地域のリューデスハイムにある、ゲオルグ・ブロイヤー醸造所が所有する畑、ベルク・ロットラント。
この畑では以下のワインが造られています。
ソヴァージュ リースリング
参考価格:¥2,900(本体)
こちらの畑、および他の2つの村のリースリングのブレンド。ブロイヤー醸造所のスタンダードクラスのワイン。ステンレスタンクでの発酵・熟成。グレープフルーツのような果実味と硬質なミネラルがしっかり詰まった、芯のあるドライな味わい。
テラ・モントーサ リースリング
参考価格:¥6,000(本体)
ベルク・ロットラント及び3つの急斜面の特級畑のリースリングだけを使用した、ブロイヤー醸造所のセカンドラベルにあたるワイン。大樽での発酵・熟成。ワイン名はラテン語で急斜面を表しています。独特のデザインのエチケットも急斜面を表したもの。力強く芯も太くなりますが、引き締まった味わいは生産者の個性を感じます。
リューデスハイム ベルク・ロットラント リースリング
参考価格:¥8,000(本体)
こちらの特級畑のぶどうのみを使用した、ブロイヤー醸造所の最上級クラスのワインの1つ。大樽での発酵・熟成。ライン河から最も近い畑なので、河からの反射光の恩恵を一番受け、ぶどうがしっかりと熟し、とても力強いスタイルに仕上がっています。最上級ワインだけあって、果実味、ミネラル、酸、余韻、全てにおいて圧倒的なバランスと完成度です。
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