【お酒屋さんインタビュー】新企画『ヘレンのワインがあるトコロ』vol.1 農と発酵Zenさん(奈良市)
新企画「ヘレンのワインがあるトコロ」
弊社と深いお付き合いをいただいているお酒屋さんへ取材に行き、そのお店の魅力を日本全国に発信したい!という気持ちからスタートした企画です。若手スタッフが中心となってインタビューを進めてまいります!
取材: 大田黒匡俊 神﨑穂波
編集: 桑原結乃

ソムリエ&チーズプロフェッショナル&サケディプロマ。ARMSコーヒーのメンバー。

2021年度フランスチーズ鑑評騎士の会「シュヴァリエ デュ タストフロマージュ」の称号を叙任。
とても気さくな藤井さんと北田さん。インタビューにもニコニコ丁寧にこたえてくださいました。
(取材日2024年5月8日)
——いつも弊社ワインを沢山お取扱いいただきありがとうございます!ヘレンベルガー・ホーフでお気に入りのワインはありますか?
藤井さん) ありすぎてわからへんな!(笑)強いて言えば、以前イベントをしたことがあって贔屓もあり馴染みもあるのでラッツェンベルガーさんが好き。お店では常にヘレンベルガーさんのワインがあいてますよ!特にリースリングとシュペートブルグンダーは特に好きやからいつもあけてます。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
↑ドイツのピノ・ノワールがズラリと並ぶ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
北田さん) ローゼンさんも安定感・お得感があるのでお客様に安心してオススメできます。
藤井さん) 昔からローゼンさんは好きやなあ。
北田さん) ピノ・ノワールと言われたらもう、フーバーさんとフュルストさん!
藤井さん) フーバーさんとフュルストさんに関してはもう間違いないワインとして自信を待って出してます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
↑2021年12月17日に行われたフュルストワイン会のようす。
(左は弊社スタッフの大田黒匡俊)
藤井さんには「これからは“ドイツの時代だ!”と確信するのに十分すぎるワイン達でした」というありがたいお言葉をいただきました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
↑ヘレンベルガー・ホーフのワインをたくさん扱っていただいてます。
いつもありがとうございます!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――弊社とのお取引のきっかけは何でしたか?
藤井さん) 試飲会です。今のハウスメッセのような感じではなくて、当時はホテルでやってましたね。ある問屋さんのご帳合でヘレンベルガーさんのワインの取り扱いをスタートしました。当時は上代1,500~2,000円くらいの安いワインのみ取り扱っていました。でもある時、御社の会長さんがそれらワインの取引をすべてやめたからビックリした!(※1990年代後半、弊社元会長 故・山野寿がフーバー醸造所と出会い、辛口にシフトした時期)
安い甘口のワインは当時しっかり売れてたし、「売れるのになんでやめるんやろう?」「ヘレンベルガーこれから大丈夫なのか?」と思っていたけれど、後からそれが大正解だったことに気づいたよ。そこからヘレンベルガーさんはどんどん「生産者」にフォーカスしていった。あの当時そんなインポーターは中々おらんかった。
――1995年に弊社のドイツツアーにご参加いただいたと思いますが、いかがでしたか?
藤井さん) 2週間の長旅やった。めっちゃ長かってん。分厚い手帳2冊つぶしたもん。テイスティングコメントいっぱい書いたなあ。1ワイナリー15アイテムくらい出してくれた。すごく勉強になりました。
ある村で休憩してるとき、会長さんがある本を読んではったんよ。それがゴー・ミヨだった。「この蔵が面白そうなんだよ」と言って、それがフーバーさんやったんよ。そこから会長さんはフーバーさんのとこ行って研修しに行って、ほんで今があるわけやな。
――え!すごい瞬間に立ち会っていたんですね!!
*****************
ドイツツアー中、空港近くの書店にて当時社長であった山野寿が手にしたワインガイドブック「ゴーミヨ」。当時はまだモーゼルワインを中心とした品揃えであったヘレンベルガー・ホーフにとってドイツ13地域の新進気鋭の醸造家の情報はまさに宝物でした。数ある造り手の中から95年のゴーミヨにてまだ1つ房(醸造所を房の数で格付けしています。最高は5つ房)だったフーバーさんに直感的な魅力を感じて訪問。彼の醸すシュペートブルグンダーやヴァイサーブルグンダーは私たちが当時抱いていたドイツワインのイメージを覆すまさに衝撃的なものでした。この出会いから少しずつお互いに交流を深め、2000年には山野寿が1年間、そのあとを追って現社長である山野高弘が2年間フーバーさんのもとで研修を行っています。フーバーさんがまだ無名だったころからのお付き合い。今では親族とお互いに言い合える間柄です。
――お酒屋さんとして大事にしていることは何ですか?
藤井さん) 背景を伝えることに力を入れています。僕ら酒屋の仕事は“お客さんの引き出しに中身を入れる”こと。“種まき”こそが我々の仕事です。種まいて、芽出さして、その若木を大事に育てて、花咲かして、実をとる。時間かかるよね。ゆっくりしっかり時間をかけて、今たくさんの大事なお客さまに恵まれてます。
――ワインはどのようにお客様におすすめしていますか?
藤井さん) 僕のワインの歴史はヘレンベルガーのワインから始まった。ヘレンベルガーさんに教えてもろて、ヘレンベルガーさんとともにここまでやってきました。「酸って大事なんですよ」「クリアーでピュアってこういうことなんですよ」って、手取り足取り教えてもろたから、それをそのまま継承して、お客様に自信をもってお伝えしています。
――ヘレンベルガーのワインはどのようにおすすめしていただいてるのでしょうか?
北田さん) まずヘレンベルガーさんのワインは全部高品質。高価格帯はもちろん、低価格帯でも、品質がしっかりしてるから、どれでも安心しておすすめできます。
藤井さん) あとは生産者の顔が見えるとこやね。想いがちゃんと伝わってくる。その想いっていうのも、間違った方向じゃなくて、ちゃんと王道で正しい方向のもので、そこに肉付いている感じがする。だからヘレンさんに教えてもらった情報は、お客さんに堂々と言ってる(笑)いろんなとこで喋りまくってる(笑)
まあひとことでいうと、うちのワインはヘレンベルガーのワインのことなんです(笑)
――嬉しい一言いただきました!(笑)ありがとうございます!
――ヘレンベルガー・ホーフの印象はいかがですか?
藤井さん) 「熱い」かな。熱さやね。情熱がある。謙虚さもある。いばらへん。やらされ感がない。和気あいあい。そしてなにより“生産者を大事にしている”ところが良いと思います。
――うちのキャラクターもあって長くお付き合いいただけているのでしょうか?
藤井さん) そうですね。喧嘩ももちろんするけどね(笑)僕はもう兄弟やと思ってるからな。ファミリーやから。
――嬉しいです。ありがとうございます…!今後ともよろしくお願いいたします。
素敵な角打ちスペース
藤井さん 「どんなに言葉をつくしても、やっぱり食べたり飲んだりするのがお客さんにとって一番わかりやすい。それが最短距離でできるのがうちの角打ちスペースです。“比較“できる幸せや、”違い”を体感する喜びを感じることができる空間を提供しています。ぜひ僕や北田さんをつかまえて、お酒のこと、チーズのこと、何でも聞いてください!惜しみなく喋りますよ!(笑)」
・11:00~13:00
・13:00~15:00
・15:00~17:00
・17:00~19:00
・19:00(最終入店)
バラエティ豊富なチーズブース
チーズプロフェッショナルの資格を持つ藤井さんと北田さんのセレクトで、本当に美味しいチーズのみを取り揃えています。店内専用庫でお世話したチーズたちを角打ちで!また、お気に入りの子を見つけてご自宅でもお楽しみいただけます。
チーズ盛り合わせ 1,800円(税込1,980円)
お酒とコーヒーに合うチーズをセレクト!藤井さん、北田さんが、味の違いをしっかりと丁寧に説明してくださいますよ。※チーズの内容は日替わり。
7種のチーズピッザ1,200円(税込1,320円)
7種類のチーズをふんだんに用いたピッザ!「優しいハーモニーに仕上げています。お好みでハチミツをたっぷりかけてお召し上がりください」とのこと。これはお酒がすすみそうですね・・・!
――チーズはどのようにして取り扱っているのですか?
藤井さん) 入荷したチーズをまず全部はだかにします。チーズの外皮をみて、北田さんが、微生物の状態、中の状態、チーズの状態すべてを把握する。「ここのへこみはこういう理由でこうなってる」とか。状態が良いのをしっかり確認してから、トリアージュ(選別、判断)をして、急ぐ子、急がない子、大丈夫な子、みたいに分けていきます。そこから彼女のお世話が始まる。水分が出てきてる子を綺麗にふき取ってあげたりとか。すべて健全な状態にして保管します。
北田さん) 輸送のショックで水分が出すぎちゃって、もうびちゃびちゃになってる子もいます。汗を拭ってあげる感じで(笑)、丁寧にふき取ってあげます。
――とても大変な作業ですね…!
藤井さん) うん、やからチーズが入荷してくるときはもう二人ともピリピリ(笑)
――チーズはどのようにして注文していますか?
藤井さん) 基本、良いのが入ってきたらそれを選ぶっていうスタンスです。ほしいものをくれって言ってもそれが良い状態のものとは限らない。輸入されたものをみて、最良の子を選んでいます。
――では業者さんとの繋がりが大事なんですね。
北田さん) そう、それが一番大事。
藤井さん) 信頼関係。
日本酒ブース
藤井さん 「奈良にゆかりのある蔵元さんの日本酒を取り揃えています。ワインと同じく、日本酒も生産者の顔や人柄がみえるようなお酒を取り揃えています。たとえば京都府北部・久美浜の木下酒造さん。もともと奈良で修行してはって、この土地で酒を酌み交わして、いまは京都でがんばってはる造り手さん。奈良にゆかりのある蔵元っていうのはそういうこと。うちでは奈良をあらわす酒を取り扱いたいのではなく、あくまで奈良にゆかりのある生産者にスポットをあて、どういう想いで彼らが酒造りに向き合っているのかを伝えていきたい。」


Zenさん、インタビューにご協力いただきありがとうございました!今後ともよろしくお願いいたします!
取材: 大田黒匡俊 神﨑穂波
編集: 桑原結乃

奈良市・新大宮の酒屋「農と発酵Zen」
住所
〒630-8115
奈良県奈良市大宮町7丁目2-15 101
アクセス
近鉄奈良線「新大宮駅」1番出口より徒歩7分
営業時間
10:00~20:30
※飲食ご利用の最終入店は、19:00(L.O.20:00)。
定休日
月曜日
駐車場
有り(4台)
https://www.noutohakkouzen.com/
Zenさんへのお問い合わせは、お電話、SNSにて!
☎TEL:0742-93-6611
Instagram https://www.instagram.com/noutohakkouzen/?hl=ja
※この記事をみてZenさんへお問い合わせいただいた際は、「ヘレンベルガーの記事をみました!」とZenさんにお伝えいただけたらとてもうれしいです(*^^*)
Next・・・
次回は、ヘレンベルガーからダッシュで1分!(笑) 世界一近いお酒屋さんのインタビュー記事をお届けいたします!