【お酒屋さんインタビュー】『ヘレンのワインがあるトコロ』vol.8 SAKE BOUTIQUE SEKIYA(せきや酒類販売株式会社)さん(東京都・国立市)
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「ヘレンのワインがあるトコロ」vol.8
弊社と深いお付き合いをいただいているお酒屋さんへ取材に行き、そのお店の魅力を日本全国に発信したい!という気持ちからスタートした企画です。
第8回目は、東京都国立市にあるお酒屋さん、SAKE BOUTIQUE SEKIYA(せきや酒類販売株式会社) さん。
「文化が醸成される場所には必ずお酒があり、人々の交流がある」という言葉を指針に、”人”をつなぐ酒屋さんであることを大事にされているお店です。「お客様が納得した1本」に出会えるような感動を生み出し続けるせきやさんの魅力をお届けいたします。
取材:三井(せきやさん担当営業)
桑原
編集:桑原
今回インタビューにご協力いただいたのは、代表取締役の矢澤幸治(やざわこうじ)さん。
↑せきやさんのドイツワイン売場コーナーにて
せきやさんのある国立市。ゆったりと静かに時間が流れていくような雰囲気がとても素敵でした。
せきや酒類販売株式会社 代表取締役 矢澤幸治さん
ご多忙な中、取材のお時間をつくっていただきました。
――ドイツワインのイメージを教えてください!
矢澤社長)個人的にリースリングが大好きだから、昔からブロイヤーさん、ローゼンさんのワインが好みです。赤もまさに過渡期という感じで、時代とともに間違いなくさらに注目されると感じています。世間はナチュール志向だけど、うちは基本的にオールドスタイルで、まっすぐなクラシカルな素晴らしい造り手にフォーカスしています。御社のワインもそのイメージです。
――ヘレンベルガー・ホーフのワインのイメージはいかがですか?
矢澤社長)伝統と格式。奇をてらったことをせず、テロワールに忠実で、スタイルを変えない生産者さんを取り扱っているイメージです。流行にのらない。筋、軸があるなと。ブルゴーニュほどの異常な高騰もみられないし。今の若い子たちは、フランスワインは高すぎて勉強すらできないから、ドイツでは"まっすぐな良いワイン"というものを勉強できると思います。
↑ベルンハルト・フーバーのワインをたくさんお取り扱いいただいております!
≪のびしろしかないドイツワイン≫
矢澤社長)先日あるホテルで「世界を旅するワイン会」というものを開催しました。ビュッフェスタイル。ローゼンブラザーズリースリングドライをご使用いただきました。みなさん、美味しさにびっくりされていました。やっぱりまだまだ「ドイツ=甘い」の印象は世間では変わっていないことがわかりましたが、だからこそこれを飲んでもらえることによってドイツの良さを理解してもらえるとも感じました。まだ広く認知されていない分、ドイツワインにはのびしろしかない!と思っています。
↑ドイツワインコーナー。弊社のワインがたくさん!
――ヘレンベルガーとの取引のきっかけは何でしたか?
矢澤社長)御社の藤﨑さんからのアプローチだったと思います。取引先からの依頼がきっかけだったかな、御社の主要生産者のワインを問い合わせたところからスタートしました。当時はドイツワインに目を向けていたわけではなかったけれど、フランスのピノ・ノワールの高騰でドイツに関心をもつように。藤﨑さんとは店頭販売や同行営業をたくさんしました。この多摩エリアでは、なかなか間口が開かなかったんですよね。「フランス料理ならフランスワインでしょう!」みたいな飲食店さんが多かったんです。それでも、藤﨑さんとともにドイツワインの間口を広げてきました。何度かワイン会もやらせていただいて、このエリアにもドイツの素晴らしいワインが少しづつ浸透していきました。
≪アルバイトから代表取締役になるまで≫
矢澤社長)高校卒業して大学は行かずにふらふら遊びなががら、CD屋さんで働いていました。そのCD屋は個人店で、オーナーも年配でした。「未来ないかも」と思っていましたね(笑) そんな時たまたま、せきやのアルバイト募集を発見して、同じ販売の仕事だしと思って面接に行きました。無事採用されて、最初は業務用の物流部門に配属されました。2トン車で配達するヘビーなところから働き始めました。ある日、商品仕入れ担当の人が辞めて、その役が自分に回ってきました。27歳で店長に。周りも若い子たちばかりで、まだまだ皆商品に関してわからないことだらけ。じゃあ自分が勉強しよう!と思って、3か月間休みなしでぶっ続けでワインの勉強と酒屋の仕事をやっていました。まずアドバイザーの資格を取得し、30歳の時にシニアを取得しました。当時店長として、「これは間違っている」「これはおかしい」とガンガン指摘していたので、それを面倒くさがられて再び営業にまわされました(笑) 当時2005年。
≪ひたすら営業に回りつづけ、過去最高の売上をたたき出す≫
矢澤社長)他の営業がどんどん辞めていって、営業は自分一人だけになりました。社長に「もう業務用は諦めよう」と言われました。それがとても悔しくて、「一人でやります」と言い切り、営業に奔走。その結果、過去最高の収益をあげた年になりましたね。やれないことはないと思っています。「文句があるんだったら数字出しなさいよ」と上に言われたことがきっかけ。本当に結果を出したら誰も何も言わなくなりました。だから「まずはやってみよう」がいま自分が常に使う言葉になりました。
≪「まずはやってみよう」≫
矢澤社長)30代前半の小僧が飲食店営業に行くと、向こうのお偉いさんと商談しなきゃいけない時もある。普通かなうわけない。でも、僕らには名刺がある。「この名刺を持っていたらどこにでも行けるんだ。これを差し出せば誰とでも話すことが出来る。同じ土俵に上がることが出来るんだ」と。自分で自分の土俵を決めない。苦手なところほど足が遠のくけれど、だからこそ先に攻めていくスタイルで、結果的にたくさんの素晴らしい飲食店様と関係を築くことが出来ました。
≪アルコール離れに関して≫
矢澤社長)今は飲まないという選択が出来ている。酔っ払いを見て「哀れだな」とか、なんとなくマイナスイメージが広がっている。良い出会いを経験することが大事。お酒を飲むシチュエーションはいろんなところに転がっています。推し活をしている人たちみたいに、皆何かに感動するスイッチを持っているはずなんです。そのスイッチを押す機会があれば必ず加速する。うちのバイトの子で、ずっとサワーを飲んでいた子が、「先輩が仕事終わりに飲んでいたビールを嫌々飲んでみたら美味しかった。働いて飲むとやっぱり違う。そこから興味が出た!」と。それがスイッチ。
↑カッコイイワインセラーをご案内していただきました。凄いワインがびっしり。
≪学生へのアプローチ≫
矢澤社長)学生対象に適正なお酒の飲み方を伝えていきたい。うちの近くには一橋大があり、大学生も多い。うちでアルバイトしてくれる大学生もたくさんいます。そういう子たちに向けて、セミナーとかやってみたいんですよね。どんどん飲み手が高齢化していったら本当に大変で、これは業界全体で考えていかなきゃいけないことです。若い子たちも経験がないから選択肢がないだけで、我々が種をまいて畑を作ってあげなきゃいけない。自分たちが上から教わってきたことを、次の若い子たちに”恩を送る”かたちで伝えていきたいです。
↑丁寧に丁寧に、売場のご説明をしていただきました。クラフトビールのお取扱いも豊富でした!
矢澤社長)お酒は無駄の積み重ねと思われるけれど、無駄って最高で、それが大きな楽しみとなる。共感できる人を周りにたくさん作っていくと、本当に素晴らしい輪ができていきますから。
≪経営者として≫
矢澤社長)2016年に代表になってからは、自分が営業に出ることはほぼなくなりました。うちの営業社員のとある子には、まだ成功体験がない。自分の薦めたものが、相手に刺さって、それを認められる。次にまた持って行って、その反復行動が営業の糧となる。自分が美味しいと思って売るのと、誰かに言われて売るのとでは全然違う。まずは何でもやってみる、経験するっていうのが営業として強くなります。うちの社員にも、アルバイトの子たちにもそうなっていってほしいなあと思っています。
せきやさん、矢澤社長、取材にご協力いただき誠にありがとうございました。今後ともヘレンベルガー・ホーフをよろしくお願いいたします!
せきや酒類販売株式会社
住所
186-0004 東京都国立市中1丁目9番地の30
Tel
042-571-0001
営業時間
SAKE BOUTIQUE SEKIYA
11 : 00 〜 20 : 00(月~木・日)
11 : 00 〜 21 : 00(金・土)
SEKIYA TAP STAND
12 : 00 〜 20 : 00(月~木)
13 : 00 〜 21 : 00(金)
12 : 00 〜 21 : 00(土)
12 : 00 〜 20 : 00(日・祝)
アクセス
JR国立駅 徒歩1分