【お酒屋さんインタビュー】『ヘレンのワインがあるトコロ』vol.10 徳地酒店さん(滋賀県 草津・湖南)
「ヘレンのワインがあるトコロ」vol.10
弊社と深いお付き合いをいただいているお酒屋さんへ取材に行き、そのお店の魅力を日本全国に発信したい!という気持ちからスタートした企画です。
第10回目は滋賀県草津市に本店をかまえる徳地酒店さん。取材中もひっきりなしにお客さんが来店される超人気店。「”伝道師”として蔵元の想い・背景をお客さんに届ける」という理念のもと、滋賀からお酒の魅力を発信し続けているお酒屋さんです。今回はそんなすばらしい徳地酒店さんの魅力をお伝えします!
取材 桑原結乃 白濱美智枝

代表 徳地 悟(とくち さとる)さん

日本酒、焼酎、ワインと、大将自ら造り手のもとへ赴き、気に入った銘柄のみを仕入れています。ドイツにも何度も訪問されております。
ベルンハルト・フーバー醸造所の先代ベルンハルトさんと大将
次男 徳地 佑(とくち たすく)さん

1996年生まれの29歳!湖南店の店長をつとめています。大学生のときに、ヘレンベルガー・ホーフのドイツツアーに参加。大学卒業後は大阪、東京のホテルで働き、4年前に実家に戻り徳地酒店の仕事に従事。父親である悟さんの理念を最も近くで学び、実践しています。
2018年にドイツツアーに参加。シュタインマンさん訪問。
長男 徳地 惇(とくち まこと)さん

長男のまことさん。2024年5月に、ヘレンベルガー・ホーフのドイツツアーに参加。現地に赴き、生産者に会い、たくさん感動していただけました!ワインセラーには、訪問時の生産者と撮った素敵な写真が飾られていますよ。

フーバー醸造所訪問、ユリアンさんとランチ。
ライナー醸造所訪問、コンポストを見学。
滋賀県草津市 地元のみんなから愛される町の酒屋さん
もとは草津市矢橋町でお店を営んでいましたが、装いも新たに2012年に現在の草津市下笠町に移転。大将のこだわりがふんだんに盛り込まれ、落ち着いた橙色の壁に、梁や、床などはアンティークな木目調。とても格好いい内装でした。
一段と目を引く、「徳地酒店」と書かれた立派な額がお店の中央に掲げられております。
徳地酒店さんは、蔵元と顧客を繋ぐ「伝道師」という独自の哲学を持つ酒屋さん。ドイツワインのトップ生産者から、日本の銘焼酎蔵まで、その深い信頼関係の根底には、大将の驚くほどの情熱と行動力がありました。大将とご子息のたすく様に、その酒屋経営の流儀、そして商品に込める思いの真髄を伺いました。


経営の核:蔵元訪問と「思い出」の創造
桑原: ドイツのワイナリーへの自費訪問を数年間継続されたというのは、並大抵の熱意ではないように思います。
大将: うちの酒屋の基本は、「人と人とのつながり」、そして「思いを伝える伝道師」の仕事です。僕がドイツに行くのは、「俺はちゃんと自分で費用を払うから、連れて行ってくれ」というところから始まりました。招待ではなく、対等な立場で、造り手の顔を見て、その思いを知る。これが全てです。

フランケンのシュタインマン醸造所訪問。
桑原: 「訪問」に徹底的にこだわる理由はなんですか?
大将: 単純です。「思い出がない商品は売れない」からです。正直な話、商品の知識だけあっても、感動や思い出がなければお客様に響かない。うちで扱っている商品の90%近くは、僕らが自ら訪問し、感動した蔵元やメーカーです。日本酒、焼酎、ドイツワイン...作り手の熱い思いは言語や国境を超えて一緒です。行ったからこそ、その商品の背景やロケーションが分かり、自信を持ってお客様に伝えられる。それが、継続的な信頼に繋がります。

ベルンハルト・フーバーさんと。
ラッツェンベルガーさんと。

ブロイヤー醸造所のテレーザさんと。
焼酎の銘蔵との交流とドイツワイン
桑原: ドイツツアーでは、あの黒木本店さん、万膳酒造さんなど、焼酎界のトップランナーの面々とご参加いただいた徳地さんですが、ツアー中は、みなさんとどんなお話をされましたか?
大将: 黒木社長や万膳さんと一緒にドイツのワイナリーを回った時は、「遊びの中に真剣な学びがある」という感じでした。例えば、ワインをブラインドで試飲し、価格順に並び替えるゲームをしたり。販売店も蔵元も、立場関係なく真剣に競い合って面白かったなあ。

大将: 日本に帰国後、黒木社長が「ドイツ訪問をきっかけに、うちも畑をお客さんに見せるようになった」といったフィードバックを話してくれたり。彼らは単に商品を造るだけでなく、「どう育て、どう伝えるか」を販売店と同じ目線で考えている。そういう人たちから学ぶ姿勢は、僕らの仕事の「質」を上げてくれるんです。
また、ドイツではよく乾杯にシュナップス(蒸留酒)を飲むでしょう?一気にみんな朗らかになる。黒木さんはそれが気に入って、日本での宴会の最初にはいつも蒸留酒で乾杯することにしているそうですよ(笑)
対面販売へのこだわり

桑原: 「品質管理」も重要な要素ですね。
大将: もちろん。ドイツやフランスの蔵元も、品質管理には細心の注意を払っているのが印象的でした。僕らも、温度管理は徹底し、自信のある品質でお届けする。それは、蔵元から見ても、お客さんから見ても、「あそこなら大丈夫」という安心感をもたれる酒屋でありたいからです。僕らは、一切営業マンはいらない。配達と、思いを伝えることに集中すればいい。
ワインセラー ドイツワインがたくさん!

ヘレンベルガー・ホーフ取扱いのワインがびっしり。
ワインとともに、現地に訪問した際の思い出たっぷりの写真が飾られていて、感動しました。
哲学の継承:味だけでなく「ストーリー」を売る

桑原: たすくさんは、お父様の哲学をどのように受け継いでいますか?
たすくさん: やはり大学時代にドイツに行った経験はとても大きいです。単なる味のテイスティングではなく、人柄や歴史、その土地の文化を知ることの重要性を痛感しま
した。

モーゼル、ケステン村を訪問したたすくさん。

フーバー醸造所のユリアンさんとまことさん。
たすくさん:例えば、うちで扱う日本酒の中に「わかむすめ(和可娘)」という銘柄があるのですが、この蔵元は元看護士の女性がお酒を造っており、廃業寸前、夫婦で最後に挑戦した国際コンクールにて結果を残し、飛躍したという物語があります。そういうストーリーがあるからこそ、お客様は飲んだ時のエピソードとして記憶に残り、面白く感じてくださるんだと思います。ただの「美味しい」ではなく、「こういう人が、こういう思いで作っている」という背景が、対面販売の基本であり、信頼の継続に繋がると思っています。
滋賀の飲酒文化を底上げする
桑原: 今後の目標と、地域への貢献についてお聞かせください。
たすくさん: 私は、世の中には美味しいお酒がたくさんあることを知ってほしいという強い思いがあります。ワインも他のお酒も、美味しくないで終わってほしくない。その方の口に合ったお酒を提案して、悪いイメージを払拭したいと考えています。
若い人が飲まないと言われますが、まずは30代・40代の親世代に、「本当に美味しいお酒」を知ってもらうことが先決だと考えています。彼らが徳地酒店で「背景のある、確かな品質の良い酒」に出会い、それを家庭で楽しむことで、子どもはその「良いイメージ」を自然と学習するのではないかと思います。
たすくさん: 今は口コミで若いお客さんも増えてきています。特に高額商品は、ギフトとして当店の「安心感」が選ばれているように感じています。これからも対面販売を基本とし、お客様一人ひとりに商品の背景にある物語を丁寧に届けることで、この信頼の継続を築いていきます。近江商人らしく今後に繋がる商いを常に考え、「生涯のファン」を増やしていきたいと思います。
大将:「育てる」という意識がないと、商品はすぐ枯れてしまうと確信しています。僕らの仕事は、銘柄を育てること。たすくとまことがこの蔵元とお客様をつなぐ役割を継続していってくれたら、それで十分です。

↑「またドイツツアーに参加したいです!」とたすくさん。ラッツェンベルガーさんのワインが大好きだそうで、次回は必ず訪問し直接お話したいとのこと。

徳地酒店様の商売は、単に商品を売買するのではなく、「人」と「人」の間に立ち、作り手の情熱や歴史を伝えることに徹しています。この徹底した顧客と蔵元を重視する哲学こそが、焼酎やワインといったジャンルの垣根を越え、トップメーカーからも信頼され、お客様に深く愛される酒屋の流儀なのだと確信しました。貴重なお話をありがとうございました。

↑大将におすすめしていただいた「天明」をお土産に買って帰りました。お燗にぴったりのお酒を教えてくださいとたずねたところ、君にはコレや!とおすすめいただきました。「対面販売」ってやっぱり最高や~!と思いました。その日のうちにしっかりとお燗で楽しませていただきました。幸!(桑原)
徳地酒店
草津本店
〒525-0029
滋賀県草津市下笠町526−3
湖南店
〒520-3222
滋賀県湖南市吉永370
過去のインタビュー記事
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vol.5 タカムラ ワイン&コーヒーロースターズさん(大阪市西区)のインタビュー記事はこちら>>
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vol.8 SAKE BOUTIQUE SEKIYA(せきや酒類販売株式会社)さん(東京都・国立市)のインタビュー記事はこちら>>
vol.8 WINE SHIRATAKI (白滝)さん(大阪北区)のインタビュー記事はこちら>>
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