2022ヴィンテージ情報!~ファルツ、ラインガウ、ラインヘッセン、ザクセン、ヴュルテンベルク編
年末真っただ中ですねー。
師が走るほど忙しいという12月ですが、いかがお過ごしでしょうか。
今年のことは、今年のうちにといいますがドイツワイントピックスでも2022ヴィンテージの様子をお知らせしきりたいと思います。
というわけで
「2022ヴィンテージ情報!後編!」
前編(フランケン、ミッテルライン、モーゼル、バーデン、アール地方はこちら)
では、まいります。
※某新酒のヴィンテージコメントのようなことにならないよう集めた情報をできる限りそのまま掲載しています。(笑)
◆ファルツ地方
ヴィラ・ヴォルフ醸造所のリースリング
畑によって顕著に差が出た年です。
標高の高い涼しい畑や、水場が近くにある畑はこの旱魃をしのぎやすかったようです。
一方、砂質土壌の畑はぶどうが早く熟すのですが、南ファルツは旱魃を免れ、ブルゴーニュ系品種は、素晴らしい品質とのこと。
リースリングにおいては、9月の雨によって貴腐菌が発生した箇所もあったようですが、手摘みによって選果を行う生産者さんは、最高のリースリングの品質となったそうです。
総じて、素晴らしい年。
◆ラインガウ地方、ヘッシッシェベルクシュトラーセ地方
ゲオルグ・ブロイヤー醸造所のリースリング
夏は非常に乾燥していて、5月~8月の3か月もの間ほとんど雨が降が降りませんでした。
急斜面で石がゴロゴロとしている水はけのよい畑の多いラインガウでは、糖度が上がらなくなるほど水分不足が深刻でしたが、それでもぶどうの強さのおかげできれいで素晴らしい実をつけてくれたようです。
8月末からの収穫は理想的な条件で、9月中旬には天候が逆転したかのようにたくさん雨が降り、一部の畑で健全ではないぶどうができてしまいより綿密な選定が必要となりました。
ぶどうの樹の状態を考えるとこの雨は、とてもいいことだったようです。
我らがテレーザ・ブロイヤーさん曰く2022年は、土壌の個性が出たフレッシュでバランスの取れた年で満足しているとのことのことでした。
◆ラインヘッセン地方
ケラー醸造所のリースリング
暑さのためブルゴーニュ系品種は早く熟し、急いで収穫する状況も見受けられたようです。
他地域と似た状況で、収穫の9月中頃に雨が降ったようで、リースリングの一部に貴腐菌が付着するリスクが高まりました。
非常に忍耐と手間が必要だった年でしたが、全体として素晴らしい果実味と適度な酸味、低めのアルコール度数となるバランスが取れた年になりそうだそうです。
◆ザクセン地方、ザーレウンストルート地方
シュロス プロシュヴィッツ醸造所のフリューブルグンダー(参照:醸造所インスタグラムより)※弊社取り扱いはございません。
弊社は取り扱いがない地域ですが、緯度も場所も離れているのでやっぱり気になりますよね。
しばしば遅霜の被害が見られるこちらの両地方ですが、2022年は遅霜の被害もなく、発芽も早く暖かかったため1990年以来となる8月末からの収穫となりました。
やはり特筆すべきは、5月~8月の旱魃ですが、後にベストなタイミングで雨が降り、pHが安定し、生産者の中には畑の野草を残すなど有機的な管理によって旱魃のストレスも軽減でき、健全で完熟したぶどうが採れたとのことです。
◆ヴュルテンベルク
ロルフ・ハインリッヒ醸造所のムスカテラー
赤ワインの生産も盛んで温暖なこちらもやはり暑さ、旱魃が激しかったようで畑に対して様々な工夫が必要な年だったようです。
うまく対処できた生産者さんは、暑さや旱魃の影響はほとんど感じられない高品質で十分な収量のぶどうが収穫でき、ワインはエレガントでフィネスに富んだ味わいになると期待できるようです。
◆まとめ
全体として、ブルゴーニュ系品種がメインの産地では、収穫が早くあまり雨がという声はありませんでしたが、冷涼で晩熟の品種であるリースリングがメインの産地では、9月中頃から降った雨が少し影響したようです。
2022年は、結果として暑い年ですが、ボリューミーなワインができるわけではなく、極端に乾燥したことよってぶどうの糖度が上がりにくくなったため、あくまできれいな酸が残った味わいのバランスの取れた素晴らしいワインに仕上がりそうだとのことです。
いずれにせよ2022年のワインが楽しみです!
自分でこの記事を見返しながら飲みたいと思います。(笑)
年越しまで残り半月!忙しくも楽しく走りぬきましょう!
今年も大変お世話になりました!どうぞ来年もよろしくお願いいたします!
それでは、みなさま良いお年をお迎えください!
大田黒