Jurgen Leiner/ Pfalz

ユルゲン・ライナー/ ファルツ地域

気鋭のビオディナミスト

南ファルツ、イルベスハイムに居を構えるユルゲン・ライナー醸造所は40年以上の歴史を誇る家族経営のワイナリーです。

1970年代に現当主スヴェン・ライナーさんの父、ユルゲン・ライナーさんがワイナリーを設立。現当主のスヴェンさんは、ファルツ地域の名門ミュラー・カトワール伝説のケラーマイスター、ハンス・ギュンター・シュヴァルツ氏の教えを受け、レープホルツでも研修、その後2005年より父ユルゲンさんよりワイナリーを引き継ぎます。継承当時は1.5haだった所有畑は現在14haまで拡大されています。

ライナーさんの畑はEUのエコ生産者認証を受け、ビオディナミへ移行。2011年よりデメターの認証を取得しています。現在は名実ともに、同地域を代表する若きビオディナミストとして名を馳せています。

南ファルツのテロワールについて

ライナー醸造所の位置する南ファルツは、地中海性気候の影響を強く受ける非常に湿潤で温暖な気候帯。

地殻変動により隆起した土壌が複雑に入り混じる多彩な土壌構成で、ライナー醸造所の所有するカルミットと呼ばれる畑では特に石灰岩が多く見られ、ワインに独特のミネラルと奥行きを与えています。

恵まれた気候、多彩な土壌により、ライナー醸造所では実に幅広い品種構成でワイン作りが展開されています。ドイツの伝統品種であるリースリングを始めとし、ブルゴーニュ系品種(ピノ・ノワール、ピノ・ブラン、ピノ・グリなど)も多く栽培されており、それらの要素がライナーワインの幅を大きく広げてくれています。

クオリティを求めた結果、たどり着いたビオディナミ農法

ライナーさんは現在ビオディナミ農法にてワインを造っていますが、もともとそのことを目的にしていたのではなく、毎年毎年経験を重ねるごとに徐々に栽培、醸造においてその形に近づいていきました。

ワインのクオリティーを求め、初めは土壌改良、醸造段階での過度な関わりを少なくしていった結果、2003年からドイツのエコ認証をとることを決意し2005年には認証を獲得しました。そこから肥料造りの際にビオディナミ農法の正当性を確認し、2011年にDemeter認証を得ることとなります。
(写真:石灰の含有率が高いことが伺える、ライナーさんを代表する畑カルミット)

 

ライナーさんが実践する『カーボン・ニュートラル』

ライナーさんは近年、環境に配慮し、カーボンニュートラルなワイン造りを目指し、実践しています。

その取り組みのひとつがボトルに表現されています。環境負荷の少ないガラスボトルを採用し、ラベルには通常の紙でなくガラス繊維でできたものを使用しています。

右の写真は畑の雑草除去に一役買っているという、ハイランド・キャトルというスコットランド原産の牛。

彼らの大きさが、ブドウ樹まわりの雑草除去にちょうどよいのだそう。(大きすぎるとブドウの芽も食べてしまうため)

ビオディナミ独自のプレパラシオン(調合材)一例「500番」

毎年9月から翌年5月まで畑付近の彼の所有の芝生の茂った土地に牛の角の中に牝牛の糞を詰め、角の先を上に向け、20㎝ほどその上に土をかぶせて埋めます。

ビオディナミの定義では9月23日から4月のオーステルンの日まで埋めることになっていますが、ライナーさんは堆肥の匂いが取れるようになるまで約1か月、さらに時間を要します。取り出された糞は堆肥のにおいは全くなく、こちらを堆肥造りの際(木材、馬の糞、岩石を砕いたもの、ぶどうの搾りかす)を手に取って団子を造りその中に一つまみ入れる。この団子を堆肥の中に穴を掘って以下の調合材とともに等間隔で埋めていきます。

HANDWERK(ハンドヴェルク)シリーズ

ハンドヴェルクとは手仕事を意味し、栽培から醸造に至るまで全て人の手により丁寧に作られていることを示しています。ラベルには畑活性化の一翼を担う益虫がデザインされています。ワインごとに違った虫が描かれているのも見ていて楽しく、ライナーさんらしいこだわりが感じられます。

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