Ratzenberger / Mittelrhein

ラッツェンベルガー / ミッテルライン地域

リースリングの魔術師

ライン河下りの寄港地で、世界遺産の地、ミッテルライン地域のバッハラッハ村。風光明媚なこの地で、「リースリングの魔術師」として名を馳せているのがラッツェンベルガー醸造所です。ドイツのワイン産地の中でも北に位置する冷涼な気候のもと、この地ならではの、まろやかで果実味に満ちたエレガントなリースリングワインを生み出し、絶大な支持を得ています。

ライン河渓谷沿いに連なる山々の南抜け斜面にブドウ畑が広がります。

(写真下 画像提供:VDP)

 

リースリングワインに魅せられて

1800年台後半からある醸造所を、前当主が冷戦期に東ドイツから移住して畑を2ha買い取り、ラッツェンベルガー醸造所の歴史はスタートしました。当時、買い取った醸造所のセラーには、隣接する急斜面の畑から取れた、かなりの年数熟成したリースリングワインや、スパークリングワインが眠っており、その高品質な味わいに圧倒されたことから、この土地の個性を最大限に活かした至高のリースリングワイン造りが始まりました。所有畑が20haになった現在も、当主であるヨハン・ラッツェンベルガーさんをはじめ、奥様、ご両親、そして二人の娘たちとともに、3世代の家族経営で丁寧なワイン造りを行っています。

当主ヨハン・ラッツェンベルガーさん

いつもニコニコ、笑顔が絶えないヨハンさん。彼の造るリースリングは、そんな優しい人柄が表れたかのような、果実味に満ちた柔らかな味わいです。素材の味を生かした和食、特に魚が大好きで、ご自身のワインとの相性についても絶賛しています。

ヨハン・ラッツェンベルガーさんはミッテルライン地域のVDP(高級ドイツワイン生産者連盟)の創設者の一人であり、2011年からは会長を務めています。彼らの取り組みは、ブドウ栽培だけではなく、地域の自然と調和しつつ歴史や文化などを後世に継承することにも注力しています。


美しい世界遺産の街の畑

バッハラッハ村の南向の急斜面の最優良区画に畑を所有しています。


【Bachracher Posten】 バッハラッハー ポステン

「見張り台」の意味の畑名で、河に一番近い急斜面の畑。河の反射の恩恵もあり、できるワインは完熟度の高いパインやトロピカルフルーツのような味わいもあります。その名の通り、この畑の上からバッハラッハ村の全景とライン河を一望できます。

【Bachracher Wolfshöhle】 バッハラッハー ヴォルフスヘーレ

VDP(高級ドイツワイン生産者連盟)のグローセラーゲ(特級畑)に認定されたいる、「狼の穴」の名を持つ畑。少し風化の進んだスレート土壌の南向けの急斜面の畑です。ラッツェンベルガーさんのワインの中で最も力強いまろやかなワインに仕上がります。

 

【Bacharacher Kloster Fürstenthal】バッハラッハー クロスターフュルステンタール

バッハラッハ村のシンボルであるスターレック城の南に位置し、VDP(高級ドイツワイン生産者連盟)認定のエアステラーゲ(1級畑)に指定された南向けの急斜面。名前は中世にこの場所にあった修道院に由来します。所有する畑の中で最も標高が高く、河からも離れているため、酸がしっかりのること、貴腐菌がつきにくいことから、ゼクトとアイスワイン用のリースリング専用となっています。

【Steeger St.Jost】シュティーガー ザンクトヨースト

醸造所のすぐ裏手にある畑。VDP(高級ドイツワイン生産者連盟)のグローセラーゲ(特級畑)に認定されています。畑は標高120~200mにあり、約35度の急斜面に広がります。風化しにくい硬い粘板岩に覆われており、骨格のしっかりとした硬質なミネラル感のワインに仕上がります。

 

 

自慢の天然地下セラー

ラッツェンベルガーさんは急斜面の地下に掘られた、年間通して温度の変わらない地下4層にもなる天然のセラーを所有しており、最高の条件でリースリングワインを熟成させています。こちらの大きなセラーがあるからこそ、ゼクトの長い瓶内熟成にも対応しています。


 

醸造所の看板 スパークリングワイン

ラッツェンベルガーさんの看板といえば、リースリングで造らえたシャンパン製法のゼクト(スパークリングワイン)! かつて人気漫画「神の雫」25巻でも大きく取り上げられて大人気となった、日本でも話題のゼクトです。 ゼクト専用の畑クロスターフュルステンタールのぶどうを90%、ヴォルフスヘーレ畑のぶどうを10%使用しています。瓶内二次発酵後、当主自らすべて手で動瓶し、ドサージュに10年熟成のリースリングのアウスレーゼを少しだけ添加、最低3年の瓶内熟成・・・としているものの、最近は瓶内で5年以上も熟成することが常になってきました。 そんなこだわりの塊のようなゼクトですが、自慢の大きなセラーと、ラッツェンベルガーさんの大きな懐によって、非常にリーズナブルなお値段で分けていただいています。最近はシュペートブルグンダーのゼクトも手がけており、こちらも瓶内最低6年以上の熟成を経てリリースされています。

写真

生産者紹介一覧はこちら

生産者紹介一覧へ