毎月フーバー
2021/04/28

毎月フーバー!

ヘレンベルガー・ホーフ株式会社‐ドイツワインの輸入卸

みなさんこんにちは。
今日も絶好調、食いしん坊担当の高橋です。

あっという間の一ヶ月、またまたやって参りました毎月フーバーのお時間です。
大変お待たせいたしました!←誰も待ってへん


フーバーさんの生み出す素晴らしいワインを改めて一つずつ深堀りし、無類のフーバー好きの御得意さまにとにかくフーバーワインが飲みたくなるおすすめポイントをご紹介いただき、喉がかれるまで毎月フーバーフーバーと言い続け、あの手この手で皆さんの脳裏にフーバーさんのワインの存在を刻む!という積極的な刷り込み企画です。

今日も長いですよ~。このページを閉じるなら今です。
さあ、ぐりぐり刷り込まれる覚悟がお済でしたら早速参りましょう。


今回ご紹介したいワインは、満を持して登場!特級畑の一つ、

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ヘックリンガー・シュロスベルク・シュペートブルグンダー[R]G.G. 2016年
税込17,600円 ※ワインリストの現行は2015年で残りわずか。間もなく2016年に切り替わります

シュロス(城)ベルク(山)というその名の通り、小高い山にそびえ立つ石造りの古城の眼下に広がる美しい急斜面の特級畑です。

元々は作業のしやすい段々畑だったものを、日照量を最大限に得るために先代のベルンハルトさんがダイナマイトでどかーんと爆破し、斜面に作り直しました。
フーバー醸造所の4つのグランクリュ(特級畑)の中で最も暖かい南西向きの畑で、果実の糖度が早く上がるため、収穫が他の畑よりも1週間から10日ほど早いのも特徴です。

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表土が薄い白い石灰岩土壌の斜面は水はけが良く、根を深く這わすために高密植にこだわり、バーデン地域の作付の標準は、隣の樹との間隔は横2m、縦1.2mであるのに対し、この急斜面に関しては横1.1m、縦0.7mにしてぎゅうぎゅうに植えています。
土地の力強いエネルギーを感じつつも、ひと際凛とした硬質なワインに仕上がっている、それがこのシュロスベルクです。



私は2016年に、フーバー醸造所に2週間の研修に行かせていただきました。
その際に、フーバー醸造所名物「ぶどうの房半分カット」の作業を見せていただき衝撃を受けました。

ぶどうに凝縮感を与え、房の先端の酸の高い不要な部分を切り落とすため、そして病気にならないよう風通しを良くするためにその手法を取り入れていることはかねてより耳にしていましたが、それが想像以上にとんでも無く凄かったのです。

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ユリアンさんが畑から房を集めて重量を測り平均値を出し、実の中の種の数を確認し始めました。ぶどうの樹齢やその年の天候、1本の樹になっている房の数、種の数、その時点での実の生育具合などによって収穫時期の重量を予想で算出し、最終的に秋の収穫時にどのくらいの収量制限にまでもっていくかを、それぞれの畑ごとに緻密に計算しているというのです。

え、適当に半分に切り落としてるだけじゃなかったんだ!(笑)

シュロスベルク畑のシャルドネで例を見せてくれたのですが、何もしなければこの畑では110hl/ha収穫できるところを28hl/haまで絞りたいから、ひと房12gぐらいに切りたいとユリアンさん。

数字で言うと何だかピンときませんが、
このぐらいのサイズだよ~と切ってくれたその見本がこちら
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これがなんと・・・
パッカーン
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「ええぇ!ユリアンやり過ぎちゃうか!?」と思わず言いたくなるほどの思い切りの良さ。
畑に実際に残すのは上のほんのわずかな部分のみ。
なんて贅沢なんだ!

見てください、このどや顔を。

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このぐらい徹底的に収量を抑えたからこそ、フーバーのグランクリュの際立った世界観を表現できているんだな。
しかもワインのクラスによって収量は違えども、全ての畑、全てのブドウの房にこの作業をひとつひとつ行っているなんて・・・気が遠くなるわ!!


まさかの「ぶどうの房半分どころじゃなかったカット」の衝撃の事実をともに目の当たりにしたのは、兵庫県柏原市の酒販店『ひかみや』のご主人谷垣さん。

ご夫妻でこの2週間のフーバー研修にご参加くださり、真夏の日差しが降り注ぐ中、畑の作業を黙々とお手伝い下さった志願兵です。
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思い出の2016年産を味わって「う~んたまらん」のお顔
お店のご紹介は文末にて


私たちが滞在中に体験した中で最も過酷であったのが、作業初日のシュロスベルクでの新梢カットでした。急斜面は機械が入れない場所なので、手作業で枝を切りながら坂を登って行きます。

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初めは意気揚々と笑顔も出ながら作業をしていましたが、場所によっては山登り用の靴を履いていてもこんな状態。
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しまった・・・猛烈に暑い・・・

さすが急斜面、ほぼ太陽の日差しを直角に受けるからとにかく畑が暑い。

2リッターの水を一人2本ずつ持って行けと言われた理由が今わかった。
絶対多いよ~と思い、1本しか持ってこなかったけど、こりゃ足りん。

脱水目前というところでお昼ご飯になりワイナリーに戻ると、バルバラさん(ユリアン君のお母さん)がうさぎの煮込みとフーバー・アルテレーベン・シュペートブルグンダーを用意してくれていました。
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うーん昼から攻めてるね
こりゃ飲むしかないよね ( ̄▽ ̄)

まだ午後も汗だくになる予定だと言うのに、出てきたものは一切拒まないチームジャパン。


ただでさえ過酷な場所だと言うのに、
酒気帯びで午後の仕事に取り掛かることになり案の定自爆(@_@)

そのうち腕と胸の筋肉にも限界が訪れ、なおかつ谷垣さんは支柱に張っているワイヤーのゆるみを直す作業で指の皮がぺろーんとめくれてしまい、夕方にはすっかり燃え尽きたチームジャパン。
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夕食に地元の郷土料理のお店に行き、
テラス席で疲労と時差ボケで脳みそがぐるぐるしながら、

「濃いな・・・まだ初日やで・・・」

と、なかなか日が暮れない7月のドイツの明るい夜空を見上げてつぶやいたのでした。


初日がそんな過酷な幕開けだったおかげで、他の畑での芽かきなどの作業は私たちにとっては朝飯前ならぬアペリティフ前みたいなもの。全く苦にならず、色んな畑に行って樹齢の異なる樹や接ぎ木をした畑、様々なブドウ品種を見ながら作業が出来る毎日はとても刺激的で、絵に描いたような「The真面目で勤勉な日本人」としてひたすら黙々とぶどうと向き合うことが出来ました。

慣れない環境のなかでご苦労されたと思いますが、「本当に貴重な経験をさせてもらった」と大感動で帰国して下さったお二人には心より感謝いたします。


過去に訪問して畑仕事を手伝ってくださった歴代の方々同様、
素晴らしい2016年産のワインの背景にチームジャパンあり。

またいつかこの世の中の状況が落ち着いたころに、
チームジャパンとしてフーバー醸造所に訪問してお手伝いして下さるかたがいるとしたら、
皆さんへ参考にしていただきたい重要なアドバイスがございます。

それは

『シュロスベルクは初日に行け!』



ヘレンベルガー・ホーフ(株) 高橋

  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓ 
😃今回ご協力いただいたお店をご紹介😃

リカーランド ひかみや さん
669-3311 兵庫県丹波市柏原町母坪345
Tel.0795-73-0252

この地域でひときわドイツワイン愛に溢れたお酒屋さんです。
店主のドイツ訪問時の珍道中のお話が伺えます。
ワインセラーの中には、ヘレンベルガーのスタッフが見ても
ワクワクするようなお宝バックヴィンテージが眠っています。

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北近畿豊岡自動車道 氷上ICより車で3分
JR柏原駅下車 タクシーにて10分