スタッフブログ
2019/07/11

ドイツ Riesling tour!

ヘレンベルガー・ホーフ株式会社‐ドイツワインの輸入卸
過去のブログを見ていると、オーストリア関係のことを書いているのが本当に私だけだったのですが、最近立て続けに私以外の社員がオーストリアについての熱い記事を載せてくれていたので、同士が出来てハッピーな気分です♪

ということでオーストリアのことを・・・というわけではなく、現在私はドイツに滞在しているので、今回は現地レポートです!

昨年のリースリングのキャンペーンの優勝者のお客様と2人でリースリング産地をまわるツアー1日目、ラインガウのゲオルグ・ブロイヤーさんのワイナリーを訪問してきました。




前日にドイツに到着、フランクフルトからリューデスハイムまで電車に揺られて1時間10分ほど。ラインガウの東から西まで移動するので、聞き覚えのある村名がずっと続きます。エアバッハ、ハッテンハイム、エストリッヒ、ガイゼンハイム・・・ 駅名を聞くたびはしゃぐジャパニーズはなかなか滑稽に見えたことでしょう。電車からはそんなに眺望が良かったわけではないのですが、シュロスヨハニスベルクはくっきりと見ることができました。電車移動で、これだけ楽しめることもなかなかないですね。


翌日、午前中はリューデスハイムを観光。石畳の、小さくて雰囲気のいい村です。
ワイン生産地としても中心地なのでとにかくワイナリーが多く、観光地でもあるので、ホテル、ワイナリー、レストラン、お土産屋がいたるところにあり、日本人観光客の方ともよくすれ違いました。


ワイナリーツアー列車
観光客向けに、畑やワイナリーを見て回れる素敵な列車



観光を終えて、ゴンドラで畑の上に行き、素晴らしい景色を見ながらランチタイム。ついつい色々頼みたくなりますが、基本的にドイツで料理を頼むと絶望的な量が出てくることが多いので、慎重です・・・。

きれいな景色を満喫したと、テレーザ・ブロイヤーさんと合流して、畑を案内していただきました。



とにかくブロイヤーさんの畑の一番の見どころは、最大斜度60度の急斜面の畑。見るだけでもその作業の過酷さは
感じられると思いますが、なんせ今回はリースリングツアー、急斜面を体験しなければ、リースリングツアーにあらず!

ということで、一番の特級畑、ベルク・シュロスベルクの一番の斜度がきついところを降りて登ることになりました。
正直、ブロイヤーさんの畑は急斜面ではあるものの、多少の表土があるので踏ん張りがきくと思っていたのですが、今年は6週間もまともに雨が降っておらず、土壌が「Super Dry」な状態だそうで、踏ん張りがきかずに滑る滑る!!上からテレーザさんが、「想像してみて! 収穫の時は収穫の箱を2つ持って、この斜面を何度も上り下りするのよ!」「年間通して100往復以上するのよ!」と笑顔で叫んでいます。 上りは上りで、滑ってまともに上れず・・・這うようにして息をきらしながら上り切りました。靴もズボンもカバンも、そして一眼レフカメラもドロドロ・・・カメラはメンテナンスに出さなければいけません・・・

昨年の収穫時、この斜面を収穫の箱が滑り落ち、受け止めようとしたテレーザさんの顔面を直撃。口を何針も縫ったそうです。本当に命がけの作業ですね・・・。

その後、ワイナリーへ移動して見学後にテイスティング。テイスティングはブロイヤーさんのシリーズの最新ヴィンテージを一通り飲ませていただきました。

2018年は前代未聞の暑さで乾燥した年で、急斜面の畑でなくても緩斜面や平地の畑のぶどうもよく熟して、ベーシッククラスのクオリティがとても高かったとのことでした。確かに、ベーシックワインのソヴァージュの完成度がとても高く、目を見張る品質でした。

また、2017年のブロイヤーさんの旗印ワイン、ベルク・シュロスベルクも1週間前に抜栓していただいてたおかげで、少し開いており、まさに世界トップレベルのリースリングを体感することができました。1週間空気と触れていても軸がぶれおらず、とても強いワインというのも実感できます。本当に良いリースリングを飲むと言葉にならないですね。

その後、私の希望で東に20㎞ほど離れたブロイヤーさんの単独所有畑、ラウエンタール村のノンネンベルクに向かうことに。

リューデスハイム村はライン河からも近く、急斜面で石がちな土壌で温暖なのに対して、ラウエンタール村はライン河からも離れており標高が高く冷涼、粘板岩がもろくて風化している土壌になっており、ワインにしたときにその味わいの違いがよくわかります。


標高が高く開けたノンネンベルク畑からの大パノラマの眺めもとても素晴らしく、好天に恵まれたために遠くまで見渡せました。

ホテルのレストランでテレーザさんと食事をし、ノンネンベルク畑の2012年ヴィンテージを出していただけました。これまた素晴らしい熟成をしており、1日の疲れや時差ボケをすべて吹き飛ばしてくれる衝撃! 私が10年以上前に入社して、辛口ワインで初めて飲んで感動したのが、ちょうどこのワインの2001年ヴィンテージ。その感動が蘇ります。



ブロイヤーさんを訪問したのは今回で3回目でしたが、ここまで密にフルコースで案内していただいたのは初めてでした。また、テレーザさんのチャーミングで明るくクレバーな性格もあって、本当に素晴らしい生産者であることを実感したとともに、改めて私たちの主力であるリースリングの根底にあるものを肌で感じることができた、とても充実した1日となりました。

ヘレンベルガー・ホーフ
宮本 駿