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毎月フーバー
2021/06/15

梁さんに聞いてみた! フーバーの白はここがすごい!【毎月フーバー6月号】

ヘレンベルガー・ホーフ株式会社‐ドイツワインの輸入卸

毎月フーバー6月号、先月に引き続き宮本が担当させていただきます。

さらに今までは月末配信でしたが、今回は私がわがままを言って1週早くさせてもらいました。

というのも、日本のワイン業界のためにアクティブに活動され、大活躍中の大物、梁世柱さんに取材をさせていただき、とても良いお話を聞けたので、一刻も早く皆様にこの情報をお伝えしたかったからです!

 


梁世柱(ヤン セジュ)さん

ソムリエ激戦地のニューヨークで10年ほど活動され、様々な賞を受賞。

帰国後、ミシュラン三ツ星店を含む、都内のレストランでシェフソムリエの歴任。

2017年にはオーストラリアにて開催されたSomms of the Worldに、World’s 50 Best Sommeliersの一員に選ばれています。

2018年にLa Mer Incを設立され、ワインジャーナリストとしてワイン専門誌に寄稿されたり、実力派のソムリエさん達が執筆するメールマガジンSommeTimesの配信、若手ソムリエさんの育成、ナチュラルワインショップxotic winesの運営など、多岐にわたってご活躍されています。



今回は、現在募集中のヘレンベルガーの大看板企画「フーバー バリッククラブ白」で、過去にお届けしたワイン、マルターディンガー ビーネンベルク ヴァイサーブルグンダー Hラベルの2017年と2018年をテイスティングしていただきながらお話を伺いました。

 

 

宮本:
まずはこの2つのヴィンテージのワインをテイスティングお願いします。2017年は冷涼な年、2018年は乾燥してて非常に暑かった年のワインです。

 

梁さん:
2017年はドイツのクラシックな感じに、樽のニュアンスが乗っかっている。乾いた木樽のニュアンス・・・。
香りはブルゴーニュっぽい。熟したレモンと樽のニュアンスがあって、レモンカスタードケーキのよう。
ブラインドで出てきたらブルゴーニュかな?と思うような香りですね。
2018年は桃っぽさがより出てくる ヴィンテージの特徴 香りから感じるフルーツの様子と樽との融合度は2018の方が高いです。
2017の方がブルゴーニュもそうですが、樽使ってるなというのがすぐわかる感じですが、2018の方が渾然一体としています。

 

宮本:
このワインはドイツワインというより、ブルゴーニュのワインと比較されることが多いですが、比べてみてどうでしょう?

 

梁さん:
ブルゴーニュではあまりピノ・ブランを作っていないので、基本比較すべきはアルザスかと思います。スタイル的にはブルゴーニュですが・・・。ピノ・ブランは果実味のボリューム感がおとなしい品種なので、土地の良さ、畑仕事の良さ、醸造のうまさがとてもよく出るぶどう品種だと思います。アルザスとかでも素晴らしいピノ・ブランもあれば、つまらないピノ・ブランもあり、人とテロワールの力がとてもよく出てくる品種です。

2017年は大きな味ではないですが、テクスチャーが密度があって、中央の部分がとてもなめらかな質感で、その上に踊っている酸がすごいシャープで、そのコントラストがとても魅力的なヴィンテージです。
すごいなめらかなチーズケーキの上にカリカリのクランブルがのっているようなコントラスト
香りほど強い樽の印象を感じないのは、酸がいい仕事をしてますね。

2018年は17年と比べるとテクスチャーが球体で、密度があります。17年のようなコントラストのような面白さはありませんが、一体感があり、酸もどしっとした厚みのある酸ですね。
無理やりブルゴーニュで例えると、2017年はシャブリのプルミエ的な表現で、2018年の方が全体的な迫力がグランクリュよりの表現ですね。グランクリュとプルミエクリュだと良し悪しに聞こえますが、スタイル的な問題ですね。

 

宮本:
梁さんはフーバーさんのお父さんの時代のワインもご存じだと思いますが、お父さんの時代のワインと比べて、2代目のユリアンさんのワインはどうでしょうか?

 

梁さん:
とにかく樽の使い方が洗練された感じですね。お父さんの時代のワインもとても好きでしたが、とても強いブルゴーニュへの対抗意識、ブルゴーニュに勝ってやるぞと力の入ったワインでしたね。それにはそれの良さがあったし、そういう作り方をしたからこその迫力がありました。今のフーバーの方が良い意味で食卓のためのワインになりましたね。鑑賞の対象としてのワインではなくて、生活の中にあるワイン、食卓とともにあるワイン、人と楽しく飲む空間にあるワイン、ある意味ワインとしてのメディアとしての機能を、今のフーバーのワインははたしていると思うんですよね。どちらが良い悪いという話ではないんですが。そういう意味でもあきらかに大きく変わったと思います。ぼくは今の方が好きですよ! 昔は鑑賞目的でワインを飲むことがありましたが、今はそういうことをしないんで。

 

宮本:
今、食卓のためにワインという話がありましたが、どんなお料理がパッと出てきますか?

 

梁さん:
例えばこの2つの違いを日本料理でわかりやすく言うと、2017は天ぷら向きのワインで、2018年は焼き鳥向きのワインです。2017年の方がきりっとした酸があって、食べ物にもかりっとした揚げたようなテクスチャーが欲しいし、強い酸が油分をスッキリさせてくれる効果がありますし、より海鮮とか野菜とかを味わいたくなるような味わいです。2018年の方はもう少しガチっとした味わいになっているので、白身肉向けのワインだと思います。焼き鳥を塩で、めっちゃおいしいネギまの塩と一緒に飲むとおいしいと思いますよ。

そういう日常食との組み合わせが容易に想像できるのが、今のフーバーの真価だと思いますよ。これがお父さんのワインだと、フォアグラのパイ包みとか・・・というような、料理も肩ひじ張った感じにならざるを得なかったですが、今のフーバーは日常の中のワインに大きく進化したなと思います。だからといって、ワインの格が落ちたというわけではなくて、あり方が変わったとい感じですね。

 

宮本:
梁さんのショップでもこちらのワインを売っていただいていますが、お客さんの反応はいかがですか?

 

梁さん:
すごい良いですよ! 正直、すごい安いと思います、この価格は。確かにブルゴーニュっぽさがスタイル的にはあるので。例えばこの2017年をブルゴーニュと比べるとしたら、基本的にはかなりいい造り手の村名クラスのピュリニーモンラッシェやシャサーニュモンラッシェと遜色ない、下手すると1級畑クラスでもおかしくない・・・。村名と1級畑の間くらいとして、そのあたりのワインは1本¥15,000くらいしてもおかしくないんですよね。そこにはヴァイサーブルグンダーという、ドイツにおけるマイナー品種、ピノ・ブランと言えばわかる人も多いですが、ヴァイサーブルグンダーと言ってもほとんどの人がわからない、ドイツといえばリースリングというイメージがある、本来はすごく良いワインにあるのに不遇な立場にありますが、消費者的には価格が上がらなくてうれしいですね。

ドイツ人の好きなところは、こういうワインに全然手を抜かないじゃないですか。そこが本当にいいと思うんですよね。他の産地とかだと、一番下のクラスの安いワインは手を抜く人が多いんですよ・・・グランクリュばっかりに手をかけて、他の部分をないがしろにする・・・ ドイツの造り手は上から下まで同様に捧げられたケアというのは本当に他の国もぜひ見習うべきですね。これはドイツならではです。本当に真面目な人たちですね。

 

ああ、両方おいしいなぁ・・・ 個人的には2017が好きだなぁ

 

宮本:
梁さんがお客さんにこのワインを進める時に、「ドイツ」の「ヴァイサーブルグンダー」と言った時に、お客さんは抵抗ありませんか?

 

梁さん:
いや、それからの追加説明をしないと、なんのこっちゃわからないので、今言ったような説明は必ずするんですよ。ドイツのマイナー品種の素晴らしい造り手のワインは、世界でも圧倒的なコストパフォーマンスを誇るものがあることを、僕がプロとして断言しますけど、1本¥10,000以上するワインと、全く遜色ないワインがこの価格で造られているということが、どれだけ素晴らしいということは、ちゃんと伝えますね。わからないものを伝える時はストーリーを添えてあげないと難しいですから。結局、おかわりのお客さんも多いので、すぐ売れてしまいますね。

 

宮本:
以前、ニューヨークにいらっしゃった際、良い造り手のリースリングはとても人気があって取り合いだったとお伺いしたことがありますが、ドイツのピノ系品種はいかがだったんでしょうか?

 

梁さん:
当時は段階としてはそろそろシュペートブルグンダーとか良くなってきそうだよね・・・とみんなが言い始めた時だったんですよ。その時はドイツの辛口リースリングはやべぇぞ! 良い造り手のGGは買えよ!という風潮でした。それまで辛口リースリングは、オーストリアが強かったんです。特にヴァッハウのスマラクトのリースリングは、高くてもニューヨークでよく売れてました。それから10年の間に、みんなが予想していたとおり、リースリング以外の品種が、シュペートブルグンダーを筆頭にグイグイ上がってきたという。

 

宮本:
フーバーは当時どうでした?

 

梁さん:
知ってはいたんですが、当時はドイツワインといえば、とにかく良い生産者のリースリングをひたすら追っかけていました。

 

宮本:
ここ10年~15年は、リースリングが世界的にもブランドとして確立されてきたイメージがあって、価格も少し上がってきた印象ですね。

 

梁さん:
そうですね、ただブルゴーニュに比べたら全然マシですよ。この10年でものによっては3倍くらい上がりましたからね。
でも、まだリースリングは安いと思います。特にドイツは。比較すると、1万円だとブルゴーニュは村名しか買えないんですよ。でもドイツのリースリングに1万円を出すと、世界の頂点にあるワインが体験できる。これがソーヴィニョンブランだと無理で、シャルドネなんかは圧倒的に無理で。リースリングだとそれができる! もしかしたら10年~15年後には5~10万円とかにはなっているかもしれないので、コレクターや愛好家の人たちには、ドイツの偉大なワインは今買っとけ!と言っています。こんなに安く最高のクオリティのものが味わえるのは長くは続かないと思います。

 

 

宮本:
またこちらの方のワインの方に戻りますが、日本の方々に、ドイツのリースリング、シュペートブルグンダー以外のワインについての広がりはどう思われますか?

 

梁さん:
これはまだまだだと思います。やっとドイツ=甘口リースリングという固定概念から抜けたところだと思うんです。他のマイナー品種もいいね、おもしろいねとか、そういうところまで進んでいるのは本当に一部の限られた人達ですね。ただ、その良さというのが、おもしろいというのを超えた、ものとしての良さを理解してもらうようになるには時間がかかると思います。少なくとも現段階で、ドイツのマイナー品種のワインというのは、ペアリングをがんばっているソムリエからすると、これ以上ない楽しい武器になると思います。僕たちって、お客さんをペアリングをもってエンターテインメントするためのネタを常に欲しているわけですよ。そこに、めちゃくちゃうまいピノ・ブランは、アルザスじゃなくていいでしょ?という風に盛り上がったりとか、ゲヴュルツとかアルザスの方が有名ですけど、ドイツでもすごいのがあるとか、そういったネタとして、プロが特にペアリングを通じてゲストを喜ばせるワインとして、すごく輝けると思います。できるだけたくさんのペアリングやっているソムリエさん達に、こういったワインのおもしろさ、素晴らしさ、それが仕事にどれだけ有効に生かせるかというのを気づいてほしいですね。

 

宮本:
ちょうど最後の質問で、私達がこのワインをもっと広めていくのに、どのようにアプローチしていったらいいでしょう?というのですが、今おっしゃったように、ペアリングとしての大きな武器であるというのが切り口ですかね?

 

梁さん:
そうですね。ドイツのこの系統の品種は今後、来るのがわかっていると思うんです。世界のトッププロからすると。なぜなら確固たる品質が伴っているから。これ絶対にくると思っている、最先端にいる人たちは。だからシンプルに、今こういうワインを知っていること、扱っていること、紹介できることがすごいクールだと思います。かっこいいことだと思います。目立つし。良く知られている造り手のシャサーニュモンラッシェを、何も考えずに出すソムリエよりも、このヴァイサーブルグンダーの良さを、価格は1/4くらいなのに、それをちゃんと語れる、喜ばせることができる、それができるソムリエだったり、ワインショップの方だったり、そういう人たちはすごくクールだと思います。おいしいのは間違いないので、どう使うか、どう使うとかっこいいかとか、そんなシンプルな考え方でいいと思うんです。例えば僕が、どこかのレストランでペアリングを体験したとします。そこでちょっとしたフライとか揚げ物のタイミングで、この2017のヴァイサーブルグンダーとかが出てくると、「天才ですか!?」となります。「すごいいいね!」って。創造性をわかりやすく見せるための、本当に強力なワインだと思います。おもしろいだけだったら世の中にいっぱいあるんですけど、実力を伴っていないものも中にはあるので・・・。僕の店にはないですけど(笑)

 

宮本:良い売り文句いっぱい頂いてありがとうございます! 私達が「このワインは素晴らしい!」と言っても、インポーターなので当たり前ですが、梁さんにこれだけ言っていただくと本当に説得力あります(笑) 引き続きドイツワインを、フーバーさんのワインをよろしくお願いします!

 

 

今回、梁さんにお話をお伺いしたのは、経営されているxotic winesさん。東京都荒川区の町屋駅からすぐのワインショップです。梁さんが厳選されたおいしいワインが並んでいます。ヘレンベルガーのワインも色々並んでいますので、ぜひお立ち寄りください♪ 

 

 


xotic wines(エキゾチック ワインズ)

〒116-0001 東京都荒川区町屋1丁目2番7号ヴェルデセゾン2階

https://www.xoticwines.com/ ←ネットショップもあります♪

 



 

また、今回絶賛いただいたマルターディンガー ビーネンベルク ヴァイサーブルグンダー Hラベルの2019年ヴィンテージを5本セットにして2021年11月頃にお届けする「フーバーバリッククラブ 白」、現在ご予約受付中です。 ヘレンベルガーが畑を借り受けているからこそ実現できたこの価格!

6月30日が締切となりますので、お申込みお待ちしております!

フーバーバリッククラブの詳細はこちら