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ドイツワイントピックス
2021/07/14

生産者さんたちに聞く! 2021ヴィンテージ状況!

ヘレンベルガー・ホーフ株式会社‐ドイツワインの輸入卸
皆さんこんにちは!

ドイツ・オーストリアのはっとして、グっとくる情報をお届けする
ドイツワイントピックスの週がやって参りました。

来月からYouTube配信もさせていただくことになりました。
大田黒です。主にドイツワイントピックスの掘り下げや小話を
テーマにしようと考えております。

今回も何をドイツワイントピックスでお届けしようか悩みました。
ドイツでは、自然派生産者を中心にPIWI品種が注目を集めていたり、
ドイツ北部でのワイン造りが始まったり、2020年のオーストリアのワインの
贈答品としての需要が前年の64%も伸びていたりと話題はたくさんあるのですが・・・。


結果これにしました。

生産者さんたちに聞く!2021ヴィンテージ状況


コロナ禍で落ち着かない状況ですが、今年はいったいどんな状況なんだろう?
と思ってらっしゃるかたも多いのではないでしょうか。

ということで、現地に行けずとも、生産者さんに聞きました!最新情報!
現在までの最新のヴィンテージ情報をお届けします



まずドイツの生産地域全体としていえるのが、
今年のぶどうの樹の成長が遅いことです。

これは5月下旬まで温かくならず涼しい気候が続いたため、
新芽の発芽から開花までに時間がかかったのが要因です。
例年よりも平均して8~10日間ぶどうの成長が遅いようです。

さて、以下に生産者さんたちに伺った代表的な地域のヴィンテージ情報を
ご紹介します。



ラインガウ地方 ゲオルグ・ブロイヤー醸造所 テレーザ・ブロイヤーさん談

春は涼しく、雨が多く、6月に温かくなったため、急激に生育が進みました。ぶどうの枝が1日に数センチ単位で伸びていっています。生育が順調に進んでいる為、余分な新芽を刈る作業で忙しくしています。例年よりも2週間ほど生育が遅いです。

モーゼル地方 “ぶどうの樹3本のオーナー“ ザンクトニコラウス トーマスさん談

ラインガウ地方と同じで春は雨が多く、気温も上がらず、例年より2週間ほど
遅く発芽、開花が進みました。開花後は温暖な気候に恵まれ、一気に成長して
います。

開花したモーゼルケステン村のリースリング


バーデン地方 ベルンハルト・フーバー醸造所 ユリアン・フーバーさん談

春は涼しく、発芽し始めた4月の下旬に遅霜の被害が出ました。

フーバー醸造所全員で蝋燭を設置

ベルンハルト・フーバー醸造所では、夜の3時~6時にかけて醸造所スタッフ
全員で、畑の中にろうそくを焚いて対策を講じました。それでも、総量の30%
程のぶどうに被害が出てしまいました。
冷涼な気候が続いたため、ぶどうの成長が遅く例年よりも2~3週間程遅く、
6月にはやっと温かくなった上、雨もしっかりと降ったため順調に成長して
います。

ヴァスマー醸造所(マークグレーフラーラント)のサブリナ・ヴァスマーさん談

6月末は大雨が続いていて、アスパラガスといちごには甚大な被害が出て
しまいました。しかし、今の時期の雨はぶどうの樹には問題ありません。

フランケン地方 ルドルフ・フュルスト醸造所 セバスチャン・フュルストさん談

春~5月まで寒く、6月よりようやく生育が始まりました。温かくなったこと
と、適量の雨が降ったことで6月後半の成長が非常に早く進んでいて、1日に
ぶどうの枝が約10cmも伸び、ぐんぐんと成長していて驚いています。
 

フランケン地方 ビュルクシュタットの雨の様子

ファルツ地方 フリードリッヒ・ベッカー醸造所 フリードリッヒ・ベッカーJr.さん談
他地域と同じく、現在すさまじい勢いでぶどうの樹が成長しています。
一気に生育が進んだので、剪定等やることが多くて忙しくしています。

※ベッカーさんの畑では被害はなかったそうですが、ファルツ地方
一部の標高の高い畑で遅霜被害があったそうです。


一部地域で霜の被害や他作物の被害が出てしまったものの全体とし
現在は好調に成長が進んでいるようです。

ここ数年、ドイツでも年間平均気温も上昇し、乾燥した年が続いていました。
雨が降らず生産者さんによってはぶどうの実が日射で焼けてしまったり
生育がうまくいかなかったりとかなり苦労された様子でした。

しかし、今年は適量の雨も降り今のところ安定していそうです。

開花を終えた今後は、伸びた蔓の整理をしてぶどうの成長を見守り
徐葉、剪定を行って、収穫9月~10月頃に収穫を迎えます。

ヴィンテージの様子を追いかけていると完成するワインが今か今か
待ち遠しくなります。

どんなヴィンテージなのかを生産者さんの苦悩や喜びと一緒に知ることで
普段のワインがきっとよりおいしく感じると思います。

是非、皆さんもその年の様子を追いかけてみてください。

私は今から収穫までとできるワインが、もうすでに楽しみです。

それでは、次回のドイツワイントピックスもお楽しみに。



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