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ドイツワイントピックス
2021/10/13

これで完璧!2021年のドイツの収穫状況は?

ヘレンベルガー・ホーフ株式会社‐ドイツワインの輸入卸
段々と秋の訪れを感じる気候になってきましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

私はもちろん食欲の秋です。秋と聞くだけでお腹が空いてきます。
そんな話はさておき、ヨーロッパでは収穫の秋を迎え、生産者さんたちから慌ただしくも楽しそうに収穫をしている様子が次々に届いています。

作業を夜通しで行い、体力的にもとても大変な作業で醸造所では忙しさのピークを迎えています。しかし、この大変な収穫時期もすべては美味しいワインを生み出すためです

愛情をもって育てたぶどうから、全身全霊の力を込めて素晴らしいワインを造っています。
ですので、ぶどうの収量が少なかったり、不運にも害を受けたり、寒暖の違いによって個性はあれど、丁寧に収穫し全力で造ったワインに“良くない年”というものはないと思います。大変だったと言われる年程生産者さんがより、工夫を凝らすのでより楽しめるものかと思います。

愛情を込めて造られたものには、やはり愛をもって接したいですね。

なんだかいいことも言えたようなので今回の本題に移りましょう!

「2021年の収穫の様子について」

前々回にも簡単に2021年について生産者さんからのお話をもとに、お届けしましたが今回はドイツ全体のデータをもとにお話をしていきます。

まずドイツ全体として、2021年は過去10年の平均収量である900万ヘクトリットルを下回るものの、2020年の収量を3%程上回り、過去5年の平均収穫量(878万hl)とほとんど変わらない収量と予測されています。
ドイツを代表するリースリングの収量で言えば、2020年と比較して約1.7%減になります。
(リースリングの収穫時期の大半は10月でこのまま乾燥した気候が続けば素晴らしいヴィンテージが見込めるそうです)

しかし、収量は地域によって異なり、フランケン、ライン川中流域(ミッテルライン、ヴュルテンベルク)では大幅に増え、ヘシッシェベルクシュトラーセ、ファルツでは微増。
モーゼル、バーデン、ナーエでは反対に減少してしまいました。
 
減少した地域(地域によって異なりますが)では、春に遅霜の害に見舞われたり、収穫前の雨によってぶどうの実が一部破裂したりという事情が収量を落としてしまうことになった一因です。



2021年は、涼しい春から始まり一部地域で霜害が出てしまいました。弊社生産者マルティン・ヴァスマーさんの特級畑の一部やベルンハルト・フーバーさんの畑でも非常に大きな被害が出てしまったそうです。

その後もなかなか気温が上がらず涼しい気候が続き、例年と比較しぶどうの成長が2週間程遅れました温かくなり始めた6月中頃にはぶどうの樹が遅れを取り戻すがごとく、急成長しました。そして、6月末~大雨が断続的に降り始めました。皆さんもご存知のアール地域以外でも多く雨が降りました。

この雨は実をつけ始めたばかりのぶどうの樹には決して悪いことではなく、収穫直前まで多雨が続かなければ急斜面の多い水はけのよい土壌の多いドイツでは、乾燥も防ぐことができる為問題にはなりません。しかし、反対に湿度は上がってしまうため、生産者さんは房の周りの葉を取り除きぶどう自体への通気をよくし、カビなどによる病害を防ぐ作業に追われました。

8月上旬まで安定しなかった気候は8月後半~9月前半には落ち着き、夏らしい25℃前後のからっと晴れた気候が訪れたことで十分な糖度をもった素晴らしいぶどうが実りました。それでも、湿度の影響でぶどうの健康状態にばらつきがある為収穫時の剪定、収穫後の選果により手をかけています。
9月中旬に収穫を迎える生産者さんが多く、結果的に大半は見るからに健全なぶどうが採れています


ちなみに今年の7月に洪水被害に見舞われたアール地方の収量のデータはいまだ不透明です。フリューブルグンダーなどの早熟のブルゴーニュ系品種は他地域の生産者の助けもあり、順調に終えていて復興でピノ・ノワールに関しても困難な中でも素晴らしい年になると期待されています。

さて、各生産者の収穫状況についてはドイツワイン王子のYouTubeチャンネルにて山野より10月15日に配信予定です。
よろしければそちらもご参照ください。
 
ドイツワイン王子のドイツワイン最高:
 
 
今回もここまでご覧いただきありがとうございました!
また、次回も是非ご覧ください!
 
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