2021年は当たり年?!アイスワインについて!
いつも記事をご覧いただいている皆様
本年もドイツワイントピックスをどうぞよろしくお願い申し上げます。
今年も大田黒が皆様の口にするワインがより美味しくなるよう、分かりやすく情報を発信致します。
ドイツ、オーストリアワインに関するリクエスト等いただけますとモチベーションに繋がります!
是非お待ちしております。
さて、2022年最初のドイツワイントピックスですが、
凍てつくような気候の昨今、ワイン業界でこの時期と言えば!ということと2021年がなんと非常に恵まれた奇跡的な年だったようですので
「2021年のアイスワイン事情」
をお届けいたします。
「アイスワインという言葉は聞いたことあるけど、実際に何かは知らない」という方が多いのではないでしょうか?
まずアイスワインとは何か?
簡単に言うと、ドイツにおけるアイスワインは「樹にぶどうがぶら下がったまま、ぶどうの実が凍った状態で収穫しそのまま圧搾して造る極甘口ワイン」を指します。
簡単に言いましたが、これを成すには非常に厳しい条件をクリアする必要があります。
まず、通常のワインのぶどうの収穫期は8月末~10月中旬です。
つまり、通常のぶどうの収穫は「秋」なのです。
アイスワインはその名の通り、凍った状態のぶどうを収穫しなければならないものですので、ぶどうの実が凍るほどの気候条件が必要となります。(ドイツのワイン法上人為的に凍らせることはアイスワインとして認められていません)
となると、ぶどうの収穫を「真冬」の1月くらいまで待たなければなりません。
収穫を待ち、気温が-7℃以下になる早朝を迎えて初めて収穫が可能となります。
収穫するべき時期を越えてぶどうの房をなったままにするわけですから、酸度は落ち熟度が進んでいきます。
そうなると、ぶどうの樹と房を繋いでる茎が細くなって房が落ちたりする場合や、病害等の危険が増してきます。
そういったリスクを負いながら-7℃以下の早朝を迎えてやっとアイスワイン用のぶどうの収穫にたどり着くのです。
アイスワインとして残す畑は、予め申請せねばならずそれまで、ぶどうに触れることなく―7℃以下の朝を待たねばなりません。
ぶどうを守ってきても気候条件がそろわなければ、その年のアイスワインとしての収穫はゼロになります。
アイスワインは収穫したぶどうの実の水分が凍った状態のまま、糖分の凝縮した果汁だけを搾り取ります。1房のぶどうから約スプーン1杯程度しか収量が見込めません。
そんなアイスワインの今ヴィンテージである2021年は、12月の中頃という早い段階で健康的なぶどうがたくさん収穫できたそうです!
アイスワインがこんなにも早い時期に収穫できることは珍しく、品質にも大きく期待できます。というのも十分な熟度に達した後のぶどうは期間を置けば置くほど、実がなっている軸はやせ細り、樹から離れてしまったり、病害になりやすくなります。
アイスワイン用のぶどうの収穫をするにおいて、品質を考える上で早く冷え込み収穫できることに越したことはありません。
弊社取り扱いのフォン・ヘーフェルさんが鳥害によってアイスワインの畑を残せなかったと嘆いているのを他所に特にその喜びをあらわにしているのが、見ての通り我らがドクター ローゼン醸造所です!
12月22日に-8℃を下回り健全な状態の凍ったぶどうを収穫することができたようです。
長々と書いてしましましたが、アイスワインの貴重さがお分かりいただけましたでしょうか?
まさに天地人すべてが揃わなければ収穫できない奇跡の産物です。
個人的にアイスワインは、贅沢な甘さの中にもどこかクリーンで澄んだ印象を感じます。
食後にデザートワインとして楽しむのも良いですし、和菓子やメロンなどのフルーツ等とも相性が良いです。
(イチゴにはシャ〇パンよりもアイスワインだと思っています)
是非一度、アイスワインに癒されてみてください。
最後にラングマンさんのアイスワインの収穫動画をご覧ください。
(動画は、2020年の収穫風景です。ゲヴュルツトラミナーをアイスワインにする予定でしたが、完全に凍っていなかったそうでアウスレーゼにしました)
https://www.youtube.com/watch?v=RFeW3pkaRTw
では、本年も毎月第2水曜日に頑張って参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます!
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